黒バス 短編集 【オレンジ】

【不意打ち】　伊月俊 ページ3

いつも元気で、笑ってる顔が可愛い皆のマネージャー。
　
でも、それじゃ俺は不満なんだよね…？
　
　
「…。」
　
最近、俺はイライラする。
　
原因は分かってる、分かってるけど、どうするものか…。
　
「日向君、次の練習メニューなんだけどね？」
　
最近になって、Aがよく日向と絡むようになった。
　
しかも、極上のスマイルで。
　
「…日向ばっかり、ずりぃ。」
　
俺だって、Aに絡んで欲しいし、笑顔を向けて欲しいし…。
　
はぁ、と深い溜め息を吐く。
　
「どうしたの？溜め息なんて吐いちゃって。」
　
「うわっ！び、びっくりした…。」
　
さっきまで日向と話していたAは、後ろで手を絡ませて俺の前に立っていた。
　
「人を化け物扱いしないでよね、伊月君。」
　
にこっ、と日向に向けた笑顔以上の笑顔を向けるA。
　
「な、何でもない…///」
　
「…顔、赤いよ？熱でもあるのかな？」
　
１０cmある身長差を背伸びで補って、自分の額を俺の額にひっつける。
　
俺は、まさかの展開で硬直してしまってる…。
　
「(ち、近い、近い！////)」
　
「うーん…、熱はないみたいだけど…。」
　
うーん、と顎に指を添えて、考え込むAは可愛くて仕方ない。
　
ってか、俺、不意打ち喰らいすぎじゃね！？
　
「あのさ…、狙ってやってる？」
　
「…え？」
　
きょとんとしてるってことは、わざとではないらしい。
　
なら…。
　
「…。」
　
俺は、無言でAの唇を奪う。
　
しかも、皆の前で見せつけるようにね。
　
「…い、伊月く…ん？///」
　
「俺、やられっぱなしは嫌なんだよね？」
　
　
不意打ち
　
やられっぱなしは嫌だから、俺からも不意打ちさせてもらうよ？
　
　
(そ、そんな理由で…？///それに私何かしたの…？)
　
(うん、したよ。俺、Aが好きだからさ。)
　

　

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