黒バス 短編集 【オレンジ】

【君に逢う為なら】 火神大我 モモsリク ページ18

彼がアメリカを発って、約半月。

あたしは、彼に会いたくて仕方なくて。

親の反対を押し切って、彼が居る此処、誠凛高校に来たのデス！


「It's Beautiful！」

体育館前に咲き誇る桜を見てつい零れる言葉。

日本の桜を見るのは、何年ぶりだろう？

その言葉がきっかけのように近くからバッシュのスナップ音が聞こえてくる。

開いた扉からそーっと覗くと男子達が５対５のゲームをしているのが見える。

見る限り、彼の姿は見えないけれど…。

「ウズウズしちゃった。飛び入り参加…許してネ？」

「伊月、パスだ！」

「分かった！日向！」

運良くパスが出され、あたしはそのボールをカット。

久し振りすぎて、調子に乗ってハーフラインから3Pを奪った。
　
「な！」
　
「貴女、誰？此処の生徒じゃないでしょ？」
　
「Sorry、ある人を探してるのよ。邪魔するつもりじゃなかったわ、カントクさん？」
　
女の子だけど、監督さんの彼女にウインクを飛ばす。
　
あたしの観察力を甘く見ないでくださいよ？
　
「げっ…、A。」
　
あたしが入ってきた入り口じゃない方向から、
　
恋しい愛しい聞きたかった声があたしの鼓膜を揺らした。
　
「会いたかったよ！大我！！」
　
あたしは、嬉し涙を流れそうなのを我慢して
　
会いたかった大我に抱きつくけれど、勢いが有りすぎて押し倒してしまう。
　
「痛って！おい、来て早々押し倒すな！！」
　
「えぇー。だって、会いたくて仕方なかったんだよ？」
　
「ってか、学校は！？」
　
「大我に会う為にここに転校することにしたの！」
　
　
君に逢う為なら
　
あたしは地の果てまでも、追いかけていくよ？
　
　
(あのー…)
　
(すんません、こいつあっちでの仲間だ…です。ストリート個人優勝者で)
　
(初めまして！バスケ部入部希望です！)
　
　

　

　

【呼び方】　日向順平　モモsリク→←【皇帝】　赤司征十郎　たちょ∞宏sリク

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