ふたりの話をしよう ページ23
真っ白な病室の中で、美乃は暇を潰していた。先程ローレンの歌ってみたを聴いて、その感想をDiscordに送ってから手が空いてしまったのだ。
誰か時間が長いアーカイブでも見るか。だったら、きらめの雑談配信かイブラヒムのマイクラ配信のどちらかか。
入院してからは以前よりも箱内の配信を見る時間が増え、色んなライバーのことを幅広く知れるようになった。しかし、配信をしたい欲が駆り立てられてしまうのが欠点でもある。
「きらめの雑談配信あいかわらずエグイな」
雑談配信を最長で10時間やった伝説の配信者。暫くアーカイブ消費には困らないだろう。
ふぅ、と両腕をのばして伸びをしようとするもギブスで固定されていた右腕の存在を思い出す。入院してから気持ちが良い伸びもできないのがもどかしい。
ｺﾝｺﾝ
『どうぞ』
ガラガラ、と扉が音を立てればそこにいたのは恋人の夢追だった。
随分と緊張した面持ちで、フルーツ籠を持っていた。
「美乃、久しぶり」
『久しぶりだね、翔さん』
籠を備え付きの机に置き、夢追はベッド横の椅子に腰かけた。
右腕のギブスと頭に巻かれている包帯が痛々しい。思わず眼を逸らしたくなるが、夢追はまっすぐ美乃を見つめる。
「来るの遅くなっちゃってごめん」
『良いよ、忙しかったんでしょ？未だに忙しくて来れてない人もいるし＿』
「違う」
「俺が一緒にいればとか、そんなこと考えて、勝手に罪悪感に浸って顔を合わせられなかっただけなんだ」
『あぁ、やっぱり』
「やっぱり！？」
驚愕した夢追を見ながら、美乃はくすくすと笑う。楽しげに笑う美乃を見て、夢追は思わず目をぱちぱちさせる。
『目を覚ましたとき、翔さんのことが心配になったよ』
「心配？俺を？」
『そう。だって絶対気にするじゃん。翔さん優しいから』
「し、思考が読み取られている…」
『ちょっとは恋人らしくなってきたかな？』
少し頬を赤に染めながら話す美乃に、夢追は胸を締め付けられる思いだった。
ギプスが付けられていない美乃の左手を優しく握り、夢追はとある提案を口にした。
「退院したら、夢追と一緒に住まない？」
『え…』
「今回のことで色々考えたんだ。凄い不安になって、何もできない自分がもどかしくて、美乃と一緒にいる時間を増やしたいと思ったんだ」
「美乃と、帰る家を一緒にしたい」
「あ、別に今すぐ返事が欲しいわけじゃないからゆっくり考えて＿」
『ありがとう。考えておくね』
優しい恋人からの提案を嬉しいと思っているから。
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ヨッシー(プロフ) - 柚葉さん» ありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです！ (2023年5月13日 21時) (
レス) id: f4f0a0a1d1 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - このシリーズとっても面白くて大好きなんです！更新頑張って下さい！ (2023年5月13日 19時) (レス) @page33 id: c43a5d752c (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - 栞華さん» コメントありがとうございます！やっと界隈が落ち着いて私も一安心してます。 (2023年3月15日 18時) (レス) id: 95ee8f64c0 (このIDを非表示/違反報告)
栞華(プロフ) - 待ってました！！公開ありがとうございます！！ (2023年3月15日 18時) (レス) id: ccdafaece3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨッシー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/
作成日時：2023年2月10日 19時
