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やはり、と加賀美たちは思った。
一人ではなく二人ならば襲われることはなかったかもしれない。もし、空中が襲われても夢追がいれば助けられたかもしれない。ずっと考えがグルグルして、空中に直接会いに行くことができずにいるんだろう。

意気消沈する友人になんて言葉をかけるべきか、と考えを巡らせていれば、加賀美の隣に座っていた社が声を上げた。

「今からきついこと言うぞ、ゆめお。お前のそれは自惚れだ」
「社さん!?」
「…」
「もし仮にお前がその場にいて、二人一緒に突き落とされた可能性だってあっただろ。後ろから急に不意を突かれて突き飛ばされた空中を、確実に助けられる自信はあるのか?」
「…っ」

「今のアンタにできることは空中を支えてあげることでしょ。まぁ、そうしたいことは分かってるけどね」
「だから、自分のたらればをどうにか切り離したくて仕方なかったんだろ。悔しい気持ちはわかるけどよ」

友人たちの言葉に夢追は一度顔を下に向けた。その後、夢追はグラスに残っていた酒を勢いよく飲むと、まっすぐな眼差しを友人たちと合わせる。

「ありがとう。そろそろ俺も切り替えなきゃって思ってたんだ。…そうだよなぁ俺どう見ても自惚れてたわ…。こんなひょろガリ男なんて一緒に吹っ飛ばされて終わりだよ……」
「あぁっ、夢追さん元気出してください!」
「いつものネガティブ男に戻ったわね」
「おぉ、一時期はどうなるかと思ったけどな」

空いたグラスに新たに酒を注ぎ、静かな乾杯をすれば、いつもの喧騒が戻ってくる。

「はぁ…後で神田君にも謝らなきゃなぁ」
「「私の妹を不安にさせた罪は重いですよ」とか言いそう〜」
「神田さんってそんな感じでしたっけ!?」
「ノリが良いときなら言いそう」
「流石に言わないだろうけれどね。忠告はされるだろうなぁ。甘んじて受け入れるけど」

夢追の中には、とある決意が固まっていた。

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ヨッシー(プロフ) - 柚葉さん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです! (2023年5月13日 21時) (レス) id: f4f0a0a1d1 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - このシリーズとっても面白くて大好きなんです!更新頑張って下さい! (2023年5月13日 19時) (レス) @page33 id: c43a5d752c (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - 栞華さん» コメントありがとうございます!やっと界隈が落ち着いて私も一安心してます。 (2023年3月15日 18時) (レス) id: 95ee8f64c0 (このIDを非表示/違反報告)
栞華(プロフ) - 待ってました!!公開ありがとうございます!! (2023年3月15日 18時) (レス) id: ccdafaece3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨッシー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/  
作成日時:2023年2月10日 19時

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