新人ライバーは小説家志望！その４

・・ ページ17

「貴女が手術を受けているときに、貴女が働いてる会社の社長さんとマネージャーさんがお見舞いに来たいから、目を覚ましたら連絡をくれって。断っても良いって言ってたけど」
『じゃあマネさんに電話するよ。ここが電波OKで良かった』
「私はその間に必要な荷物持ってくるわ。何か持ってきてほしいものはある？」
『えっと、じゃあ＿』

私の部屋の鍵を母に渡して、社長とマネさんが来るのを待った。
事務所からそこまで遠いわけではないから、車ですぐ来れるらしい。

『社長と会うの、ライバーデビュー決まって以来かも…？』

そう思うと緊張してきた。そこまで年齢違わないのに。何かあったらマネさんにぶん投げるか。
社長に何を聞かれるんだろう。この事件を機に解雇？なくはない。少なくとも4カ月近く稼ぎにならない社員を抱えることになるわけだし。
どうにか私のパッションで押し切るしかない？



ｺﾝｺﾝ

「空中さーん。知り合いの方がお見舞いに来てくれましたよ。通しますか？」
『はい、お願いします』

ｶﾞﾗｯ

「空中さん！ご無事でよかったですぅ！」
「手術成功おめでとう、非公式wiki調べて好きなフルーツ買ってきたよ」
『社長、マネさん。わざわざありがとうございます』

社長は持っていたフルーツ入り籠を机に置き、マネさんと一緒に部屋に備え付きであった椅子に腰かけた。

「夜中に病院から連絡があった時は驚いたよ。君が事件に巻き込まれたとは」
「心臓が跳ねましたよもう…」
『すみません、ご迷惑を』
「いやいや、謝ってほしいわけじゃないんだ。本当に、唐突で面食らったよ…」

「さて、本題に入ろう。君のこれからについてだ。Twitterは見たかい？」
『はい』
「昨日のうちに、今の君は体調不良が原因で活動できる状態にない、と発表したよ。君の許可なく公言してしまってすまない」
『いえいえ。迅速な対応ありがとうございました。本当だった今日、配信をする予定だったので余計な混乱を生む前に言ってもらえて助かりました』
「よし、それじゃあ細かいところを話していこう」そこから私は、入院期間とリハビリの期間について医者に言われたことをそのまま二人に話した。

「最低でも4カ月ですか。予定されていた3Dお披露目の時期も後ろ倒しに…」
「それに関しては仕方がない。本人の体調が優先だ。それと、もう一つ聞きたいんだけれど事件の方は何か連絡きた？」

私は詳細なことは言わず、犯人がまだ捕まっていないが、顔は割れていることについて話した。

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