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それは唐突に※ ページ12

※ショッキングな描写があります。読みたくない方は飛ばしてください
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本社での打ち合わせを済ませ、事務所最寄りの駅まで歩いていた。

「いやぁ、色々話が決まってきてこれからが楽しみになったねぇ」
『そうだね。翔さんにはこれからも世話になるね』
「こっちのセリフだよそれは」

そう、まだ公表はできないけど今回の企画には翔さんも大きく関わっている。今日の打ち合わせは、その企画の最初の話し合いだった。

「さて、また忙しくなるなぁ」
『翔さん夏に1stアルバム出したばっかりだもんね』
「おかげさまで好評みたいで何よりだよ」

10月に入り、暑さもなくなり夜は冷えるようになった。
以前だったならばすることがなかった手を繋ぐ行為も、自然と行われる。まだ照れるけれど。

駅に着いて、いつも通り別れの挨拶をして解散するのに、今日はなんだか違った。

『翔さん?』
「その、さ」

繋いでない方の手で、頬を搔きながら顔を赤くして言った。

「キスしてもいいですか…」

一瞬ぽかんとしてしまった。
な、なるほど、恋人同士だもんね。うん。

『ど、どうぞ』
「……」

翔さんが一歩近づいてきたから、思わずぎゅっと目を瞑る。
音もなく塞がれて、そして一瞬で離れていった。
そこそこ夜も更けていたから、駅構内には人通りが丁度なかった。
静かな空間で、本当に二人だけの世界みたいだった。

「なんかさ」
『うん』
「今まで散々リア充爆発しろって思ってたのに、いざ自分がその身になったって思うと凄い不思議な感覚」
『うん』
「ありがとね。気をつけて帰りなよ?」
『うん。翔さんもね』



翔さんと別れて電車に乗ればやっと意識が戻ってきた感覚になる。手をパタパタと扇ぎ熱くなった顔を冷やす。ファーストキスをしてしまった…いや、別に全然嫌じゃなかったし良かったのだけれど。その後ずっと頷いてばかりで風情というものが全然…

『はぁ…』

ため息をついて気持ちを落ち着かせて電車を降りる。ここからは歩いてすぐ家に着くし、気持ちを爆発させるのは一旦後にしよう。
駅を出て帰路を辿る。
これからも楽しいことが続いていく、こんなに前向きに思えるようになったのはにじさんじに入ってからだ。

『楽しいなぁ』

路地にある階段を降りようとしたその時_____。

ドンッ

『え____』

世界が反転した。

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ヨッシー(プロフ) - 柚葉さん» ありがとうございます!そう言って頂けて嬉しいです! (2023年5月13日 21時) (レス) id: f4f0a0a1d1 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - このシリーズとっても面白くて大好きなんです!更新頑張って下さい! (2023年5月13日 19時) (レス) @page33 id: c43a5d752c (このIDを非表示/違反報告)
ヨッシー(プロフ) - 栞華さん» コメントありがとうございます!やっと界隈が落ち着いて私も一安心してます。 (2023年3月15日 18時) (レス) id: 95ee8f64c0 (このIDを非表示/違反報告)
栞華(プロフ) - 待ってました!!公開ありがとうございます!! (2023年3月15日 18時) (レス) id: ccdafaece3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨッシー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/  
作成日時:2023年2月10日 19時

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