第50話 ページ8
特級呪霊による襲撃。だがそれを知っているのは今この場にいる者だけ。いつ形勢が傾くか分からない現状。味方に位置を知らせ、特級に遭遇しないように避難、または増援をこの場に集めることができる。少なくとも、東京校のメンバーにはAの術式であることが伝わる。
と、伏黒と真希はそう思っていた。
特級の背後に立ったA。
当然、特級はその気配を察知する。そして感じ取った、増幅していく呪力を。
(ここで一気に敵を削る…!)
左手に集まっていく熱。
Aを中心に広がっていく熱気。伏黒は咄嗟に玉犬・渾を解除した。
左手に宿った赤い炎が、青色に変化する。
そしてその炎を、呪霊に向けて放つ。
「炎灼呪術・
川に沿って放たれた青い炎は、木々よりも高く舞い上がった。
川の水は熱で蒸発し、地面も30mほど抉れている。
Aの左腕の皮膚が術式の影響で焼けてしまっていた。少しの風が靡くだけでも激痛が走る。皮膚が焼けただれ、左腕から血が流れ出していた。
激痛で身動きが取れないAは、それでも呪霊を睨み続けている。
Aの攻撃を受けた特級の肉体は、防御が間に合わず右半身が欠けていた。左半身も無傷ではなく、少しずつ治癒されていくが時間がかかりそうだった。
その隙を逃さず、伏黒と真希は攻撃を仕掛ける。
「この隙を逃すな!」
「はい!」
(Aのヤツ、合図のときは赫灼使うっつってたのに、自分に反動がある術式使いやがった…!説教するのは後にして、今はAが作った隙を逃さない!)
【何という攻撃…!頭の防御が間に合わなければ私は死んでいた。術者本人は動けないようですが、他の術師は動けている。一気に倒す必要があるようだ】
迫って来る伏黒と真希を排除するために、特級は地面から木々を生やした。
それに巻き込まれた伏黒と真希は足や腕を貫かれてしまう。真希が持っていた游雲もその衝撃で川底に沈んでしまう。そして、一番の問題は身動きが取れないAだった。
「A…!」
Aに向けられた木は、目前まで迫っていた。だが、傷を負ったAはどうしようもできなかった。
(ああ、死ぬのか____)
そう思った瞬間だった。
今まさにAを殺そうとしていた木が、何者かの手によってへし折られたのだ。
「大丈夫か!?A!」
「…………虎杖」
そこにいたのは、虎杖と東堂だった。
216人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヨッシー(プロフ) - プスメラさん» コメントありがとうございます!作品説明に書いてある通り、五条悟オチです。応援ありがとうございます。 (2021年2月15日 14時) (レス) id: 315b29eacb (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - ヨッシーさん、この小説は五条悟オチですか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年2月14日 23時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヨッシー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/
作成日時:2020年12月23日 10時