第48話 ページ6
呪霊が言葉を発し終わった後、地面から生えてきた樹木がA達に迫って来る。A達は建物の中に入り、攻撃を避けていく。
「大丈夫ですか、狗巻先輩」
「しゃけ」
走りながら喉薬を飲む狗巻は随分と消耗しているように見える。呪霊に対して使った呪言の数は少ないし、強くないはず。どうにかして早く帳の外に出た方がいい、この場にいる全員が同じことを考えているだろう。
「来るぞ！」
生成された鞠状の木から棘が生えて、こちらを突き刺そうとする。だが、それは狗巻の呪言によって防がれる。
『止 ま れ』
その隙に加茂とAが術式で呪霊を攻撃する。攻撃をすることで少しでも敵の動きを止め、弱点を探ることができる。
「百斂・穿血」
「炎灼呪術・赫灼」
敵に向けて手を合わせた指先から、血のビームにようなものが飛び出す。それと同時にAも呪霊の下半身に向けて炎の塊を放つ。
呪霊は即座に自分の手前の地面から何重にもなる樹木を生成し、攻撃を防ぐ。赫灼は樹木をすべて燃やしきったが、呪霊にダメージを与えることはできなかった。
しかし、防御が間に合わなかったのか、呪霊の頭に穿血が当たる。呪霊と邂逅した直後の苅祓は頭部にダメージを与えなかったのに、穿血が当たった頭部に生えている枝のようなものが欠けたのが見えた。
(そういえば、私が最初に術式で攻撃した時も腕で頭部を守ってた。けど、頭は苅祓でも傷を与えられなかった。もしかして、弱いのは目の樹か？)
呪霊を観察しながらA達は建物の屋根に上る。屋根と建物内部を繋ぐ入口は樹木で覆われてしまった。A達は屋根の端に立つ。伏黒が鵺を呼び出した。
「狗巻先輩が止めてくれる。ビビらずいけ」
伏黒に鼓舞された鵺は真っ直ぐ呪霊に突っ込んでいく。ここで、狗巻が呪言で呪霊の動きを止める。はずだった。
「ゲホッ」
Aの横で吐血し、倒れる狗巻。動きを制限されていない呪霊は鵺の翼を貫く。均衡が崩れたのはこちら側だった。崩れた瞬間から、壊れるまでの時間などそう遅くはない。
「よそ見すんな加茂！」
狗巻に気を取られていた加茂の後ろには、既に呪霊が迫っていた。それに気付かなかった加茂は呪霊に顔面を殴られ、屋根に叩きつけられた。倒れた加茂の真上に再び鞠状の木が生成される。加茂が棘に刺される前に、Aが木を燃やしながら加茂を抱える。
「生きてるか加茂！？」
加茂からの返事はない。頭を殴打されたからか、気を失っていた。出血も酷い。
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ヨッシー(プロフ) - プスメラさん» コメントありがとうございます！作品説明に書いてある通り、五条悟オチです。応援ありがとうございます。 (2021年2月15日 14時) (
レス) id: 315b29eacb (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - ヨッシーさん、この小説は五条悟オチですか？続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年2月14日 23時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨッシー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/
作成日時：2020年12月23日 10時
