第47話 ページ5
特級呪霊と呪詛師について何も知らない加茂に、Aと伏黒が情報を伝えた。狗巻は隣で咳き込んでいる。術式による負荷が既にあるのだろう。
「ツナマヨ」
「そうですね、五条先生に連絡しましょう」
「君達は彼が何を言っているのか分かるのか?」
「そんなことどうでもいい。相手は領域を使うかもしれない、距離をとって悟の所まで後退___」
刹那。
A達と距離をとっていたはずの呪霊が背後に立っていた。呪霊の方を向いた直後、呪霊が放った弾のようなもので伏黒の携帯が破壊された。距離をとるために狗巻が呪言を使う。
『動 く な』
呪霊の動きが止まった瞬間、A達は距離をとる。加茂は懐から新しく輸血パックを取り出し、術式で攻撃をする。
「赤血操術・苅祓」
血が鋭い円形になり、呪霊の頭部にぶつかるが、ダメージが入った様子はない。
透かさずAが術式を呪霊に放つ。
「炎灼呪術・赫灼」
放たれた炎は呪霊に当たる。だが、灼けたのは両足の一部と頭部を守っていた右腕の表皮のみだった。真上から突撃してきた鵺の攻撃を呪霊が受け止めている隙に、伏黒が持っていた刀で呪霊の右脚を斬るが、それでも傷はついていなかった。ダメージを与えたのはAの一撃のみだった。
(赫灼は私が持ってる攻撃手段の中でも威力は高い方だ。それでも灼けたのは表皮だけ…随分と固いな)
分析をしていたAの頭の中に、唐突に知らない音が流れてきた。
【やめなさい、愚かな
音では全く理解ができないが、言葉の意味は理解できる。あまりにもちぐはぐな言語。伏黒達も同様の反応をしていることから、ここにいる全員に話しかけているのだろう。Aに負わされた傷を治しながら呪霊は言葉を繋げた。
【私はただ、この星を守りたいだけだ】
「呪いの戯言だ、耳を貸すな」
「低級呪霊のソレとは比べ物にならない」
「独自の言語体系を確立しているんです」
「…狗巻を下がらせろ」
【海も森も空も、もう我慢ならぬと泣いています。これ以上、人間との共存は不可能です。星に優しい人間がいることは彼らも知っています。しかし、その慈愛がどれだけの足しになろうか。彼らはただ“時間”を欲している。“時間”さえあれば星はまた青く輝く】
呪霊の後ろから地面を突き破って生えてくる樹木。
【人間のいない“時間”死して賢者となりなさい】
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ヨッシー(プロフ) - プスメラさん» コメントありがとうございます!作品説明に書いてある通り、五条悟オチです。応援ありがとうございます。 (2021年2月15日 14時) (レス) id: 315b29eacb (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - ヨッシーさん、この小説は五条悟オチですか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年2月14日 23時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨッシー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/
作成日時:2020年12月23日 10時