第45話 ページ3
加茂の拳を伏黒は右腕で受ける。右手に持っていた武器を加茂の後頭部に当てようとするが上手く躱されてしまう。暇を与えないようにAも炎を纏った拳で加茂を殴る。加茂はそれを躱そうとするが拳はフェイントで、右足で加茂の左足を蹴り上げた。当然、その右足も炎を纏っていたので蹴られた部分の衣服が灼かれ、加茂は左足に火傷を負った。
(呪力で守っていても、この火傷。凄まじい威力だ。それに…)
「近接戦でここまで立ち回れるようになるとは。成長したね、嬉しいよ」
「ちょいちょい出してくる仲間意識なんなんですか?」
「
先程は否定した虎杖殺しを肯定した。A達への意思表示のつもりなのだろう。
「藥巌寺学長の指示か?」
「いや、私個人の判断だ。それが御三家…加茂家の人間として、正しい判断だと思っている。君達にも理解できるはずだ」
以前から加茂を知っているAは、彼のこういうところが苦手なのだ。顔を合わせる度に彼は「御三家にの人間ならば」「御三家のために」と口にする。御三家であろうとするその姿が、まるで機械のようなのだ。自分とは正反対の人間なのだと理解できるほどに。だからAは彼が苦手なのだ。
「君達と私は、同類だ」
「違う」
「違います」
「……違くない」
「違う」
加茂の同類発言に溜息をついたAは、体を冷やすために炎を纏うのをやめて話し始めた。
「そういう話は禪院真衣にしろよ。恵は禪院家とはもう関係がないし、私が御三家をどう思ってるのかだって知ってるだろ」
「確かに、君を悪く言う人間は一定数いる。だが、君が人を助けていけば君を助けてくれる人間も増えていく。虎杖悠仁を殺すこともその第一歩に…」
「私は、私のために呪術師になった。私は、いつも自分本位で生きてる。虎杖を助けるのは私のためだ。それを捻じ曲げることは、しない」
Aが話を終わらせた瞬間、伏黒が加茂の背後を蝦蟇に取らせる。加茂の意識は当然そちらに向き、蝦蟇を消そうとする。次の瞬間、加茂が触れる前に蝦蟇が消える。あくまでそれは囮だ。
その隙にAは右手に術式を集中させて。
「炎灼呪術・
放つ。
放たれた赤い炎の塊は激しい勢いで床と壁を破壊し、加茂を建物の外に押し出した。
(今までにない威力…!私ではなく足場と壁を狙っていたのか!広い場所はまずい!アレがくる!)
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ヨッシー(プロフ) - プスメラさん» コメントありがとうございます!作品説明に書いてある通り、五条悟オチです。応援ありがとうございます。 (2021年2月15日 14時) (レス) id: 315b29eacb (このIDを非表示/違反報告)
プスメラ - ヨッシーさん、この小説は五条悟オチですか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年2月14日 23時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨッシー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/
作成日時:2020年12月23日 10時