新人ライバーは小説家志望！その６ (ページ8)

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その後は各々が持ち込んでいたSwitchでスプラをし、剣持が敵の美乃に忖度をしまくって味方からブーイングされるなど配信のネタにできそうな出来事があった。
お昼は事務所にUberでピザを頼み、腹を満たした。

午後2時を過ぎたぐらいで美乃と甲斐田の昼寝タイムが始まり、大人たちは静かにゲームや趣味のことについて語り合っていた。剣持は加賀美にスマホを没収され、夢追の依頼通りデータの削除に成功した。剣持はぶー垂れていたが。

その30分後には幼児化組が目を覚まし、事務所の探索を始める。すると同じく事務所待機をしていた奈羅花と夕陽リリに遭遇した。2人は幼児化はせず、事務所で暇を潰していたらしい。

「えぇ美乃ちゃんめっちゃ可愛い！写真撮って良い？」
「良いっすよ。剣持さんみたいな類の人に共有しなければ」
「しないよそんなの！…マジで可愛い～。ほっぺぷにぷに～」
「大人になった美乃さんはクールですけれど、幼いときは可愛らしいんですね」

両側から頬をつんつんされて身動きが取れない美乃は大人しく女性陣に可愛がられていた。ローレンと加賀美は微笑ましくその様子を見ていた。遠くの廊下の角から剣持がこちらを凝視していることを見て見ぬ振りして。

「スマホ没収したまんまですよね？」
「えぇ…恐らく目に焼き付けているんでしょう」
「執念凄いっすね」
「同業者は大人が多いですからね。反動が来ているんでしょう」

その後も緑仙、モイラ、クレア、力一などのメンバーに可愛がられ、幼児化組は昼寝で回復した体力を使い果たしていた。甲斐田は加賀美の腕の中で二度寝をかましている。
控室に戻り、ソファでぼーっとしていた美乃に連絡が来る。

「夢追さん、こっち来るってさ」
『…！』

ローレンの言葉に落ちかけていた意識を取り戻し、立ち上がった美乃は服装や髪をいじる。その様子に首をかしげていると、遠くでエナドリを飲んでいた不破に駆け寄る。

『ふ、ふわさん』
「ん？どしたん？」
『いまの、私…変じゃない？』
「変やないよ。可愛い美乃ちゃん。カンペキや」
『ほんと？』
「ほんとほんと」
『ﾎｯ』

「ふふふ、夢追さんが来るとわかり服装や髪形を直して、好きな人の前で少しでも可愛くなりたい。素晴らしいですね」
「剣持さん離れて」
「離れてるだろうが！7mも離れてるが！？」
「何で正確に距離を測れているんだ」

美乃の乙女な部分見るの初めてかも、やっぱ女の子なんだなと密かに思うローレンであった。