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「確かに彼は心配性ですし、貴女のことを大切に思っているでしょう。それでも彼は、仕事に妥協なんてしません。仕事を妥協する姿を、少なくとも僕は見たことがありません。加賀美さんもそうでしょう？」
「えぇ、そうですが…今は事態が事態ですし」
「そんなの、加賀美さんとローレンが一緒にいるから安心しろ、の一言で彼は納得しますよ」
『…』
「貴女は、夢追翔を信じているのか、信じていないのか。どちらですか？」
『し、信じてます！音楽を優先することもあるって、言ったあの人のことを…！』
「なら、何の問題もないでしょう。きっとすぐに高クオリティの作品を作って、貴女を迎えに来てくれるでしょうから」
『ｺｸﾘ』
納得した様子の美乃を見て、ローレンは夢追に電話をかける。ちょうど仕事前だったのかすぐに電話が繋がった。
「はぁい。どしたのローレン」
「夢追さん、おはようございます。実はかくかくしかじか」
「なるほどね。美乃は対象になっちゃたのか…美乃と通話変われる？」
「はい、どうぞ」
『か、翔さん』
「うお、マジで子どもの声じゃん。うわぁ生で見てみたかったわ」
「安心してください夢追さん、僕がきっちりカメラに収めていますので」
「…もちさんが一緒にいるの？」
「大丈夫です夢追さん、いざとなれば私が通報しますので」
「頼んだハヤト。後どうにかしてフォルダからそのデータ削除させて」
「承知いたしました！」
「おい！何でだよ！」
『翔さん』
「ん？どした？」
『あの、アルバム楽しみにしてるからね』
「うん、ありがとう。頑張ってくるよ。夕方には終わる予定だから、それまではハヤトとローレンの言うこと聞いて待ってるんだぞ」
『うん』
「じゃ、またあとでね」
『うん。またね』
その後夢追はローレンとやりとりした後、通話を切った。すると剣持は誇らしげな表情で美乃に話しかけた。
「言ったでしょう？夢追翔はやり遂げる男だと」
「もちさん嬉しそうっすね」
「僕は兄なので」
「さっきのきしょいやりとりがなければなぁ」
「何か言ったか？甲斐田？」
「ひぃ！もちさんこわいよぉあにき！」
「変態を刺激したらあかんやろ」
「ろふまおって凄いっすね」
「この光景を見ながら言ってほしくはなかったな」
『加賀美さん、おつかれさまです』
「あぁ痛い！後輩2人からの気を遣ったような視線が痛い！」
その後「貴方たち！」の声で問題児3人が静まり返ったのを見て、やっぱこの人が一番強いのではと感じたローレンであった。
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作者名：ヨッシー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/
作成日時：2023年10月8日 14時
