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妖しい笑みを浮かべながら飴玉を取り出した剣持を加賀美が抑え、その間にローレンはマネージャーに美乃が幼児化したことを伝える。返信はすぐ来て、事務所待機を命じられた。
「今日はろふまお収録？」
「そ！ちょうど休憩のタイミングやったから、1本分の映像がボツ。なんてことにならなくて良かったなぁ。小っちゃくなったのも甲斐田だし楽やわ」
「どういうこと！？あにき！」
「通常運転過ぎて草」
『…』
「美乃どした？眠いか？」
「あー…何か意識が体に引っ張られるんだよね」
「どゆことすか？」
「肉体年齢の自分の性格に寄っちゃうってこと。僕もたまに幼少期の自分の性格が出ちゃう」
「なるほどね」
現に美乃はローレンの腕の中できょろきょろしたり、自分の指をいじったりなど忙しない。かと思えば急に目を瞑ってじっと静かになることもあるので、抱えているローレンは心配になる。
「多分、幼少期特有の好奇心旺盛さとよっちゃんの陰キャが交互に出てる感じだね」
いつまでも廊下にいるのもなんだから、とロレよしとろふまおは空いていた控室に入ってバグが修正されるのを待つことにした。美乃と甲斐田はソファに座り、この前見たアニメの話をしている。剣持は美乃の半径5m以内に入ってはいけないルールが課せられ、その様子を微笑みながら遠くで見つめている。
大人組はテーブルを囲んで椅子に座り、今後について話し合っていた。
「美乃ちゃん、ゆめおさんには連絡したん？」
「…やっべ、してなかったわ」
「まだまだやなぁローレン」
「まぁこの短時間で色々ありましたし」
「美乃〜」
「なに？」
「すっかり忘れててすまんなんだけど、夢追さんにこのこと連絡＿」
『だめ！』
「え」
「駄目、ですか」
「夢追さんに幼い自分を見てほしくないということですか？いじらしいですねぇ」
「もちさん離れて」
目線を降ろしてもじもじする美乃にローレンと加賀美は目線を合わせる。すると、美乃は観念したのかぽつりと事情を話し始めた。
『今日…翔さん、アルバムの収録があって。邪魔しちゃだめだから…』
「あー…」
「なるほど、そういうことでしたか」
夢追は現在、アルバム制作の為に配信頻度を減らすほど集中している。夢追の夢が詰まった作品制作を邪魔したくないと思うのは至極当然だろう。
「なーんだ、そんなことでしたか」
その場にいた一同がその言葉に納得しかけたその時、唯一違う反応を見せたのが、一番の先輩だった。
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作者名：ヨッシー | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/
作成日時：2023年10月8日 14時
