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『…ん』
「お、ミズキ起きたか」
「おはようミズキ!」
「おはよう」
『…私どれぐらい寝てた』
「3時間。先に2人に事の経緯は話しておいた」
『…ありがとう』
ミズキはベッドから出て、ローレンの隣に座った。一緒に起きたぺろは足元で静かに座っている。
『心配かけてごめん。来てくれてありがとう』
「大きな怪我がなくて良かった。頬は平気かい?」
『平気。ローレンが大袈裟なだけ』
「大袈裟マ?腫れてただろが」
『すぐ冷やしてくれたから本当に平気。ありがと』
「もっと感謝してくれてもいいよっ」
『はいはい』
「てぇてぇな」
「てぇてぇだね」
「これ、中身は見ていいのか?」
その後4人で他愛のない話をした後、ミズキが落ち着いた様子を見計らい、レインがテーブルに置いてある四角い空き缶を指さした。
ミズキは気まずそうに目を逸らした後、細々と話し出した。
『それは…明日レオスが合流したときに話したい…。皆にちゃんと面と向かって話さないといけないって思ってるから』
「そっか。なら今は聞かないぞ!」
「この後どうする?僕は帰ってまた明日来るけれど」
「私も帰るぞ!明日のお泊りに備えて準備しなくちゃだからな!」
「パタ姐泊まる気満々で草。俺も帰るわ一旦」
各々が帰り支度を進め、また明日と挨拶をし、じゃあ帰るわとローレンが言うのを遮るようにミズキが言葉を発した。
『ロレ、少しだけ話したいんだけど…良い?』
「おぉ、良いけど…」
「じゃあ僕らは先に帰ってるね!」
「またな2人とも〜!」
「瞬間移動でもしたんか?エレベーターホールまっしぐらやん」
ローレンは部屋にとどまり、ミズキの言葉を待つ。ローレンの袖を少しだけきゅっと掴み、たどたどしい言葉で、それでも真摯な言葉を発した。
『今日、助けてくれてありがとう。本当に、助かった』
「お前、あのままだと連れて行かれそうで…むしろ無理やり間入ってごめんな」
『ううん。ローレンの言う通り、付いて行っちゃったと思うから。本当に感謝してる。あと、あの』
「どした?」
『Aって、私の本名なんだ。ミズキは芸名。ローレンには聞かれたし、録音もしてたって言うから伝えないと思って』
「Aか、良い名前じゃん」
『本名、好きじゃないんだ。あの人が付けた名前だし…でも、ローレンに呼ばれるのなんか安心するかも』
「___」
「…ごめん」
『え?』
「好きだ。お前のこと、女として」
翡翠色の瞳は、真っ直ぐにAを視界に捉えていた。
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ヨッシー(プロフ) - 529zinbeizameさん» ありがとうございます!頑張ります! (9月20日 20時) (レス) id: 0cce0d85d6 (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - 作品の感じとっても好きです!更新されるの楽しみに待ってます📣📣 (9月20日 16時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨッシー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/
作成日時:2023年9月18日 18時