裏 ページ31
結局、コラボをするのは困難だと結論付けたミズキはローレンに断りの連絡を入れた。すぐに返信が来て「OK。また今度な」といつも通りの文面に少し安心した。Twitterで今回のコラボがリスケしたことを伝えると次回を期待した声が多数散見された。
『次…できるのかな』
(ローレンのことがバレている以上、接触しない方が良い気がする。Vtuberのこともバレているし、コラボ相手に何かしらの行動をしてくるかもしれない)
『辞めたほうがいいのかな』
(折角、神田さんに憧れてにじさんじに入ったのに。好きな絵を描く仕事がしたくて入ったのに。自由に色んなことができると思って入ったのに)
プルルルル
『…!』
このタイミングはもしや、と震える手で携帯を確認すればローレンからだった。私用スマホでも番号を交換していたものの、プライベートでもライバースマホで連絡を取り合うので新鮮だった。
おずおずと通話を繋げれば、配信のときよりも低い声が脳内に響いた。
「もしもし?」
『もしもし。どうしたの』
「いや、もしかして体調崩したんかなって思って」
『体調は崩してないよ、大丈夫』
「なら良かったわ。じゃああれか、ボイスの締切忘れてたとかか」
『実はそうなんだよね、すっかり忘れてさぁ。もうやばいやばい』
「…嘘だろ」
『え』
「俺が嘘嫌いなことわかってんだろ。だからお前は俺の前で嘘をついたことはなかった。今回が初めてだ。何があった?」
ローレンの言う通り、ミズキは嘘嫌いの彼に対し嘘をついたことはなかった。だが、今回は先程のことを気取られたくなくて咄嗟に嘘をついてしまった。
「俺のこと嫌いになったか」
『違う!違くて、ローレンが嫌になった訳じゃなくて…』
「…」
『……言えない。ごめん』
「ん。わかった。それが聞けて安心した。じゃあちょっと次は間開けるか。どっちみち、お前仕事多いんだろ」
『イラストの依頼がいくつか』
「じゃ、それ終わったらコラボな。俺と2人でやるのが気まずいならくっさんとか呼んでやろうぜ」
『うん。ごめん』
「謝んなよ、俺は嫌な気持ちになってないしさ。いや、でもちょっと嫌にはなったか」
『…!』
「お前が俺を頼ってくんねぇから」
『えっ』
「お前のことダチだと思ってるし?結構距離近いと思ってんだけどなぁ」
『ごめ』
「次からは俺のこと頼ってくれよな、じゃまたな」
傷つけた、大切な彼のことを。頼れるのなら頼りたい。でも。
『これは、家族の問題だから』
友達の君には言えない。
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ヨッシー(プロフ) - 529zinbeizameさん» ありがとうございます!頑張ります! (9月20日 20時) (レス) id: 0cce0d85d6 (このIDを非表示/違反報告)
529zinbeizame(プロフ) - 作品の感じとっても好きです!更新されるの楽しみに待ってます📣📣 (9月20日 16時) (レス) id: c26de05c7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨッシー | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/zyoui1/
作成日時:2023年9月18日 18時