第９６輪:春の陽気 ページ47
「ねぇ、A」
「なぁに？」
桜がハラハラと落ちる季節の中、ジョルノとAと一緒にベランダのベンチに座り2人でお花見を楽しんでいた
「こうゆっくりするのもいいですね〜」
「そうね〜」
ジョルノはAにもたれては幸せそうな顔で桜を眺める
「重いよ〜」
「ごめんなさい」
けどジョルノはAに甘えるようにその場から離れない
「ほんとこの家って敷地でかいし、花見も出来るしなんでもありだね」
「まぁ一応パードレは社長なんで」
ジョルノはパクッと団子を食べれば、美味しそうに食べる
隣では団子を食べる度に美味しそうにコロコロと表情が変わりそれをジョルノは面白そうに見ていた
「何よ」
「何がです？」
「何って人の顔ジロジロ見て…食べにくいよ」
「だってAの表情がコロコロ変わって面白いんですよ」
うふふと笑うジョルノにAは口をとんがらせては照れる
「それ褒めてるの？」
「大分褒めてますよ」
可愛い可愛いとジョルノはAの頭を撫でた
「子供扱いしないでよ」
「してませんよ、あーもう可愛いな」
春の陽気に頭がやられたのかとAは少し心配したが、別に嫌じゃなかった
Aはピタッと体を止めてはジョルノに身を預ける
「どうしたんですか？」
「ううん、ただ落ち着くなぁって」
ジョルノの大きく広い胸板に体を預け春の暖かな日差しがAの体を温かくさせる
ここ最近ドタバタが多かったせいかたまにはこういう恋人とゆっくり出来る日が無かったのだ
Aはジョルノの膝の上にゴロンとする
「猫みたいですね」
「たまには私にも甘えさせて」
そう言えばジョルノは優しく頭を撫で、それが気持ち良いのかAはうとうとと、し出していた
「眠たかったら寝て下さいね」
「うん…」
あぁなんて落ち着くのだろう
他の男の子と違うのは彼の大人びた落ち着きの所だ
いつもは子供っぽく甘えてくるがこういう時は妙に落ち着いて甘えさせてくれる
優しく頭を撫でるその手は大きく包み込むような温かさ
今日も好きが増える
「ジョルノ…」
「何ですか？」
なんて優しい声色
「…好きよ…」
眠気が多くて瞳がトロンとしているが、とても優しく嬉しそうに笑うその笑顔にジョルノはその顔に手を這わせる
「僕も好きですよ」
とても幸せそうな2人の様子を桜の花弁は包み込んだ
「WRY…ただいま」
DIOが仕事から帰ればそこには2人は幸せそうな寝顔で寝ていた
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作者名：ななみん | 作成日時：2019年1月1日 11時
