第63輪:モヤモヤ ページ14
「…で、お前らはお泊まりをして何にもなかったのか?」
「はい…特に…」
少し肌寒い風が吹く屋上に6人は揃い昼食を食べていた
昨日の話をジョルノから聞いたミスタはやれやれとため息を吐く
「文化祭の時以来、お前まだキスをしてないんだろ?」
「はい…」
少し悔しそうにジュースを飲むジョルノ
「お前、ムッツリでヘタレってヤバいな」
「ムッツリじゃないです」
頰を膨らませ怒るジョルノの頭を撫でてはケラケラと笑うミスタ
だが、その隣では気が沈んだナランチャが1人ポツンと座っていた
「ナランチャどうしたんだよ」
「実はよー…俺数学1点だったじゃん?今度の追試で最低でも79点は取らな進級ヤバいって言われた…」
「Aよりヤバい点数…」
すると後ろでバキッとジュースを潰すフーゴの姿
「この…ド低脳がぁぁぁぁ!!!!」
フーゴはナランチャの胸ぐらを勢いよく掴んでは体を上下に揺らす
「あれほど僕が教えたというのに!!」
「あーあー、ヒステリック起こしてやがる」
ミスタは苦笑いしながらも2人の間に入りとりあえずその場を静かにさせた
するとジョルノは何か思い付いたかのように閃いた
「あ!」
そして放課後…
「Aのバイト先ですがとても勉強しやすくていいんですよー」
「ジョルノ…君はほぼ彼女目当てだろ?」
ジョルノは内心ウキウキとしながら扉を開け、席に着く
「あ!ジョルノだ!何しに来たの?」
「ナランチャの勉強会ですよ。追試受けるらしいんで」
「そうなんだ!ナランチャくん頑張ってね!」
ニコッとナランチャに微笑みをかければナランチャは少し頰を染めて照れる
ジョルノは少し不安そうに思いながらノートと教科書を開いてはナランチャに勉強を教えていた
ジョルノは働くAをチラチラと見ていると、Aはある客と楽しそうに話していた
「そうなんですか?さすがお兄さんですね!」
「だろ?君も妹みたいに可愛いね」
ジョルノはじーっとその様子を見れば、周りもそれに吊られて見てしまった
「あれは…」
「まさかの浮気?」
「あんなの浮気になりません。てか、浮気じゃないです」
多分浮気じゃない
けど、楽しそうに喋るAを見てはジョルノは胸がモヤモヤとしていた
客商売だから、仕方ない
お客さんと対話することはとても大切だ
頭の中では分かっているけど…
Aの楽しそうな表情を見ると少しイラついてしまった
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作者名:ななみん | 作成日時:2019年1月1日 11時