俺らはただ、てめぇを殺りにきただけだ。【Y.R&K.I】

【４】 ページ5

【豹】


ぼろっぼろのアパートにつく。


蝉「やっぱ、バイク捨ててきて正解だな。」


豹「だな。…乗り心地は最高だったけど。」


階段を登りながら、そんな会話をした。


盗難品のバイクなんて、おちおち乗ってられねぇもんな。


気にいってるライダースジャケットに血痕がついてないか確認する。


蝉「お前のお気にのそのジャケット、何もついてねぇぞ。」


蝉は俺の方を見らずに言った。


ドアノブに手をかけている。


豹「あ、そ。」


俺の心見透かしてんじゃねぇよ。


中に入る。


蜂「おう、おかえり。」


蜂だ。


本名…薮宏太？だっけな。


蝉「おい、300万ってどうなんだよ。」


蜂「ははは、急にどうしたよ？すくねぇか？
俺の分は別にあるんだからな。」


ったく、そんなことだろうと思ったよ。


豹「どうせ蜂は100万くらい貰ってんだろ。
殺ってきたのは俺らなのに。」


蝉「元は400万だったってとこだな。なのにそのうちの100万をお前は何もしないで貰うわけだ。」


俺らがそう責め立てると、蜂は困った顔をしただけだった。


蜂「まぁ、落ち着けって。だいたいな、俺が仕事見つけてやんねぇとお前らの仕事はないんだからな。」


蝉「んなもん、自分で見つけることくらい出来る。」


蜂「そう簡単なもんじゃないんだ。」


蜂はあっさりと割り切った。


そして、札の束を俺らに渡すと


蜂「さ、行った行った！」


と言う。


しぶしぶ、蜂の部屋を出た。


そしてその後、蝉は呟く。


蝉「元は400万なら、１人あたり何円の命なんだろうな。」


指を折って、計算してみた。

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