【24】 ページ25
【豹】
蜂「俺はな、施設で育った。
蛍と同じ施設だ。
だから、俺は蛍とも面識がある。
まぁこいつは、途中で逃げ出しちまって…俺のことなんて覚えてないと思ってた。」
蛍「あぁ。でもな…俺は忘れてなかった。
施設の人間は、何も話さない俺を見て怖がってた。
なのに、お前だけ。お前だけは、俺に話しかけてくれたんだ。」
蜂「でも、蛍はそんな生活には飽き飽きしてたんだな。
俺だって、もうこりごりだった。
親に捨てられただけで、俺は他のみんなと何も変わらないのに。」
蛍「でも、蜂は逃げ出さなかった。
知ってたんだ。逃げ出したやつがどうなるのか。」
蝉「どうなるんだよ。」
初耳なことが多すぎる。
蜂と蛍が同じ施設で育った？
小さい頃は仲良くしていた？
なんだよ、その偶然は。
運命が巡り合わせたとか、そんなちゃちいことを俺たちに伝えようとしてるのか？
そして…逃げだしたやつはどうなるとか、全然意味わかんねぇ。
蜂「見つけられ次第…やらされるんだよ、薬を。
…もうわかったよな？俺らの施設は、結局、池田の支配下にあったんだ。」
何故か、鮫が唇を噛んだ。
蛍「でも俺は、偶然にも見つからなかった。
運が良かったんだ。俺もラッキーだと思ってた。
でも…結局、押されちまって。
龍が死んだんだ。」
蝉「龍？」
蜂「龍太郎、って名前の高校生だよ。
信号待ちをしていた蛍が、池田大雅に押されて。
車に轢かれそうになった所を、助けてくれたんだ。」
そうか…池田大雅は、蛍の居場所を把握してたんだ。
なんとなくわかってきた。
とはいっても、まだ引っかかる所はいくつかあるんだけど。
豹「なぁ、施設をでてから、お前はどうやって過ごして来たんだ？
逃げ出さなかったから、なんもされてねぇんだろ？」
蜂「まぁな。俺が施設を出たのは、高校に入る前の日だった。
でも…結局高校には行かなかった。
俺は、復讐のことだけを考えて。
池田大雅に、制裁を加える…それだけを考えて、生きてたんだ。」
蠍「なんでだよ？お前、池田大雅とどんな関わりがあったんだ？
施設が支配下にあったことだけじゃねぇのか？」
蜂「兄貴だ。
俺の兄貴は…逃げたんだよ。
そして…捕まって…殺られた…！
俺は目の前で見たんだ、兄貴が死んで行くところを…。」
蜂の目から一筋、涙が零れ落ちた。
蝉「復讐…か。」
蝉の声が、高く響く。
豹「ここで、そいつを殺ってやろうじゃねぇか 」
俺の笑い声も、高く響いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 72人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あいす。(プロフ) - 猫田慧也さん» そんなそんな！ありがとうございます!!褒めていただけるような作品じゃないです〜…！ですね、池田には何としても復讐したいですね…！更新頑張ります！コメントありがとうございました^^* (2018年3月26日 20時) (
レス) id: b9cecfea1a (このIDを非表示/違反報告)
猫田慧也(プロフ) - コメ失礼致します！池田大雅、ムカつきますね。蝉、豹、蠍、以外のみんなは、池田に復讐したい。それぞれの話を聞いて、蝉たちが協力する…なんて良い話なんですか！！！応援してます♪ (2018年3月26日 16時) (レス) id: 68ea1b8acf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あいす。 | 作成日時：2017年12月24日 22時
