俺らはただ、てめぇを殺りにきただけだ。【Y.R&K.I】

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《鮫》


しゃちくん…鯱は、俺に色々説明してくれた。


２人は悲惨な過去を持っていること。


虐待されたこと。


記憶を消すこと。


どうやって出会ったのか、龍の存在。


５歳からこの路地裏で生活し、中学生になる今日まで８年間ここにいること。


それから…池田大雅のこと。


俺は、なんとなくわかっていた。


悟っていた、と言ってもいい。


父さんや母さんを…俺たち家族をめちゃくちゃにした、あの薬を売っていたのは池田大雅だ。


あの薬さえなければ、今頃俺たちは他の人とは変わらない人生だったかもしれない。


母さんが、妊娠中にあの薬を飲まなければ、俺の目はみんなと同じだっただろう。


俺は、そいつを憎んだ。


龍を殺した、そいつを憎んだ。


そいつの存在を全て…俺は憎んだ。


龍のことは、蛍が説明してくれた。


俺をかばった龍は、死んだの、って。


龍のために、復讐するんだ、って。


俺ももちろん賛成した。


反対する理由なんてない。


俺は、あいつのせいで生まれた時からしたくもない苦労をし、家族を壊され、住む家もないまま、当てもなく逃げ回っているのだから。


蛍「俺…この刀で、切る。
池田大雅の首を…俺の手で。」


鯱「蛍ならそういうと思った。
僕も賛成かな。
目の前で死んだ、龍の存在のために。」


鮫「俺も…！
あいつさえいなければ、俺の目は…。
俺の家族は…。」


ふふっ、鯱が笑う。


鯱「日本刀の練習、してみる？」


俺たちは、変わるんだ。


人生はやり直せない。


過ぎた時間、死んだ人、終わった時はもう帰ってこないんだ。


でも、そんなの納得できない。


出来るわけがない。


俺のせいではないのに、なぜ人生は俺を苦しめるのか？


全ては、あいつのせいなんだ。


自分が今苦しいのには、必ず理由があって。


それは、あいつの存在。


あいつの存在が今、俺を苦しめてるんだ。


だから、殺ってやるよ。


父さん…母さん…俺、やるからね。

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