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遠い夏の日2 ページ7

光side


慧「俺ねぇ…退院したら、アメリカ行きたい」


光「うん。圭人もいるし、父さんたちの墓もあるもんね。」


なんか変な胸騒ぎがして病室に駆け込んだものの、慧は大したことはないようにベッドで本を読んでいた。


声をかけると、嬉しそうに笑って。


それから、宏にぃたちは?なんて聞くから、今日はいないって説明すると少し悲しそうな顔をした。


それから唐突に始まったこの話。


慧「アメリカ行ったらね…俺、英語まだ覚えてるかなぁ」


光「うーん…どうだろうね。
俺は覚えてるよ。
まぁ、学校で習ったりもするしさ。」


慧「だよね…あーあ、早く学校行きてぇ〜!」


なんか悪いこと言っちゃったな、なんて思いながらも、話を続ける。


慧「そういえば、さ。
宏にぃがこの前言ってたんだけど、」


光「ん?」


慧「光って、この前のテスト1位だったんだって?」


光「…え…?」


慧「羨ましいな〜…俺が学校行ってたら、俺が一番だったのに〜笑」


宏にぃ…言っちゃったのか〜!


慧は勉強好きだし…そんなこと慧が知ったら複雑な気持ちになるかなって思って言わなかったんだけど。


本人はそんなに気にしてない…ように見える。


光「ふふ、大したことないよ。
慧に見せるためにノート取らなきゃ、と思って真剣に授業聴いてただけ…。
あ、そうだ。ノートで思い出した。これ。」


そう言って俺は、ノートを差し出した。


慧「お、さんきゅー!…どれどれ…あ、ここまで進んだんだ。」


光「そ。この公式、覚えるの大変でさ…。」


慧「うわ、ほんと。光、ありがとね。」


光「ううん。そんなことないよ。」


慧は少しだけ、笑った。


それから、自分のノートを取り出して黙々と書き写す。


やっぱ勉強好きなんだなぁ、なんて。


こんなに勉強好きなのに、学校に通えない…。


さっきの、“学校行きてぇ”って言葉は、ただ雰囲気で言ったんじゃなく本心なんだろうな、とそんなことを考えた。

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とびっこ - すごく泣けました!とても優しいお話ですね。健康って凄いことなんだなと思いました!ありがとうございました!! (2019年3月15日 15時) (レス) id: bc899b6d8f (このIDを非表示/違反報告)
はにーもやし - 本当に泣けるいい話でした!これからも生きようと決心しました (2019年2月28日 17時) (レス) id: 1ee02ce53e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あいす。 | 作成日時:2018年1月12日 18時

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