俺じゃだめ？ 3 ページ16
光side
３日目。
この日は、容態がすごく悪かった。
顔色も真っ白…手もひんやりとしていて、もう…永くないんだ。
宏太「慧。絶対死ぬなよ…？」
泣きそうになりながらも、宏にぃはそう言った。
でも…わかっていた。
今日そろった、俺ら家族はきっと悟っていた。
…慧が明日まで持たないことを。
父さんたちのところに行く日はもう、遠くはない。
光「慧…小さい時、バスでボタン押すのケンカしたよね…」
もうほとんど聞こえてないと思う。
でも、俺は話しかけるのをやめなかった。
光「どっちが押すとかそんなちっぽけなことでケンカしてさ…。
でも、今思ったらさ、お前ともっとケンカしたかったよ」
涙が。零れてく。
大貴「慧にぃってさ。
いつも、どっかテキトーで何となく、って感じで…。
だけどさ、俺がケンカに負けて大泣きしてた時、すごい優しく慰めてくれたの、覚えてる？ 」
大貴も、慧に話しかける。
慧はベッドに寝かされたまま、目を閉じて黙っていた。
心電図の音と、大貴の声が重なる。
大貴「あの時俺さ、すげー嬉しかったよ。
慧にぃ、ちゃんと俺のこと見ててくれたんだ…って。
テキトーじゃなかったんだ…って。」
これが、慧に届ける最後の声になるかも知れない。
宏太「ありがとな…慧。」
宏にぃがそういった時、
.
.
心電図の音が、鳴り響いた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 264人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とびっこ - すごく泣けました！とても優しいお話ですね。健康って凄いことなんだなと思いました！ありがとうございました!! (2019年3月15日 15時) (
レス) id: bc899b6d8f (このIDを非表示/違反報告)
はにーもやし - 本当に泣けるいい話でした！これからも生きようと決心しました (2019年2月28日 17時) (レス) id: 1ee02ce53e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あいす。 | 作成日時：2018年1月12日 18時
