俺だって、5 ページ5
宏太side
帰り道。
俺は、空を見上げた。
車で帰るから、駐車場まで少しある。
大貴「雄にぃ大丈夫？」
雄也「うん。これくらい、歩けるよ笑」
雰囲気を明るくしてくれようとしている２人の会話も、いつもとは違ってどこか寂しい。
雄也「…俺…退院して良かったのかなぁ…」
大貴「…え？雄にぃ、なんで？」
雄也「いや、なんかさ…」
雄也は、ポケットに手を突っ込む。
雄也「慧だって…頑張ってるじゃんか。
俺よりも先に入院したのに、俺の方がはやく退院しちゃって…。
こんなこと思うのはいけないことかもしれないけど、まだ退院したくない、って思ってる自分がいてさ…。」
宏太「ん…まぁな。」
大貴「…確かに、慧にぃは頑張ってる。
ひかも、きっとそれを知ってるんだよね。
だから、戻っていって…双子どうしの絆って何よりも強いなって改めて思ったんだ…。
だからその、何が言いたいかって言うと…。」
宏太「慧には光がついてる。
ううん、光だけじゃなくて俺らも。
だから、雄也が退院したこと、責任感じなくてもいいよ、だろ？」
俺がそう言うと、大貴はこくこくと頷いた。
雄也「そうだよな…。
俺たち、家族だもんな。」
大貴「そうだよ！慧にぃだって、きっとすぐ退院するよ！
俺は、そうなって欲しいと思ってるし…
それはみんな一緒だと思うからさ！」
大貴が言ってることは、父さんにも、光にも似ている気がした。
宏太「だよな、大貴。
…よし！早く帰って光のためにご飯作ってやろうぜ！それから、明日また慧に会いに行こう！
な？」
俺がそう言うと、２人とも大きく頷いた。
夕暮れ時…俺たち家族はまた、１つになれる。
そう思っていたんだ。
この時までは。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 264人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「病系」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とびっこ - すごく泣けました！とても優しいお話ですね。健康って凄いことなんだなと思いました！ありがとうございました!! (2019年3月15日 15時) (
レス) id: bc899b6d8f (このIDを非表示/違反報告)
はにーもやし - 本当に泣けるいい話でした！これからも生きようと決心しました (2019年2月28日 17時) (レス) id: 1ee02ce53e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あいす。 | 作成日時：2018年1月12日 18時
