残酷に紡いで ページ12
鶴丸「まず、此処に審神者を連れてくる事に関して反対する奴はどれぐらいいるんだ？
正直に手を挙げてくれ」
そう問い掛けると、部屋にいる半分以上の刀剣が手を挙げた。
余程人間が憎いのか、それともただ怯えてしまっているだけなのか……。
何にせよ、こんなにも大勢の刀剣が審神者を拒んでるとなれば、政府の方も俺に「何とかしてくれ」と言ってくるに違いない。
俺としては皆の意見を尊重してやりたいものなんだがな。
鶴丸「あぁ、もう良いぞ。
……手を挙げなかった奴は、審神者を受け入れてくれるって事で良いんだな？」
念の為にと確認を取れば、手を挙げなかった奴等は静かに頷いた。
鶴丸「分かった。
この後政府から迎えが来るから、その時に新しい審神者も紹介されるだろう。
だから、君達は安心してゆっくりと体を休めてくれ。
……それで、問題は次だ。
審神者反対派についてだが…。
そうなった場合、刀解されるか、もしくは自身の身が朽ちて行くのをただ待つか……そのどちらかを決めてもらう必要がある」
元々俺達は審神者の力によって人の身を保っているのだから、その審神者がいない今、姿を保ち続けるのは難しい。
新たな審神者を受け入れられれば問題は無いが、どうしてもそれが出来ずに、「人間を信用するくらいなら、折れた方がましだ」と言う奴もいる。
どのみち折れてしまうのなら、刀解されるか、終焉の時を待つしか無い。
縁があっても無くても、同じ人の身を持つ俺としては、皆には生きていてほしいというのが本音だ。
けど、俺にはそんな事を口にする権利なんてありはしない。
鶴丸「……審神者を受け入れられないなら、今言った選択肢のどちらかを選んでくれ」
だから、俺はこうして残酷な選択肢を突きつけるしか出来ないんだ。
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