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チャイムが鳴ると、
一斉に教室を出て行くクラスメート。
葵も例外ではなく、
柊真くんと仲良く、部活へ行ってしまった。
「あ〜、……A?」
「ん?」
「昨日のクレープの話やけどさ、無理やわ」
「……え?」
「ごめんな。あ、あと、今日は俺んこと待たんくてええから。先帰って。」
淡々と、
殺伐と
あくまでも
冷静に。
大吾は何てことないかのように言って、
教室を出ていく。
のんちゃんも、不思議そうな顔して私を何度も振り返って見ながら「大吾!」と言って出て行った。
____なに、いまの。
待たなくていい?
先帰ってて?
私は、少しでも大吾と居たいのに。
大吾は、違ったの?
私、ちょっと思ってた。
…もしかしたら、大吾も私のこと、気にしてくれてるのかなって。
でも、うぬぼれてたのかな…
うん、うぬぼれてたんだよね…
1人で校舎を出ると、
部活の子たちと楽しそうにしゃべっている、大吾が見えた。
「…バカみたい、」
言葉にすると
更に胸が痛くなった。
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作者名:ゆい☆ | 作成日時:2013年9月1日 18時