一人目【人身売買デスゲーム】

姉さん。 ページ6

俺は幼い頃、家族が居た…今から約五年前。
……………楽しく幸せな家族。
俺の大切な家族だ。

まだ十歳の俺に物事を教えてくれた…
優しい母さん。
母さんの作る飯は何時も温かい。


頑固な父さん。
父さんの正義は何時も正しかった。


ある日俺は事故に遭った。
電車に乗っていたら包丁で刺されたと聞いた。
大量出血により脳が働かなくなりそこの記憶だけすっぽりとなくなっていた。

入院してる時は友達が来た。
代わりに父さんと母さんは来なかった。

『なぁ、俺の母さんと父さんしらねぇか』
「お前の？さ、流石にしらねぇけど…」
『そっか、ごめんな急にこんな事聞いて』
「良いって。お前も、混乱してんだろ。」


友達は此の話題になると目を泳がせた。
俺も勘の悪い方じゃなかったので分かった。

母さんと父さんは死んだんだな、って。

退院した日。
医者に呼ばれた。


「…先ずは謝罪をさせてくれないか。牧戸君。幼い君には酷過ぎる事をしてしまった事。
本当に君には悪い事をしてしまった、すまない」
嗚呼、これから両親の事を知らされるのだ。

俺は急に悲しく、なった。
『良いんです。頭上げてくださいよ』
俺は精一杯強がった。
「…今回は話をしたいんだ。
君の御両親の事、これからも含めて」
『………はい』

「君の身元を調べたら、奇跡的に君の血縁者がいた。それが此の子だ。入って来なさい」
ガララ、と扉が開いた。

セーラー服を着た美しい女性が入ってきた。


コハク「はじめまして、私が君の姉の三崎 コハク。今迄の偽物じゃない…君の本当の家族だ。宜しく」
ソイツは俺の前で一回だけ御辞儀した。




そこから医者に話を聞いた。
今までの家族は偽物だった事を。

目尻が熱くなった。

俺は過去に家族を亡くし、此の人達…
母役、牧戸 良子さん。マキドリョウコ。
父役、牧戸 秋生さん。マキドアキオ。
が引き取ってくれ、育ててくれたそう。

コイツは他の所に引き取られていた。
だが、コイツは俺を血眼で探していたとの事。


本当の母は体が弱く病 死。
父さんだけでは支えられなくなり
先に大きく成長した姉さんを置いてきた。

その後ストレスにより自 殺をした父。
その後は引き取られ、今に至る。…らしい。

俺。→←可笑しい人。

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