欲しがりさん (ページ4)

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着いたや否や、『降りるぞ』の言葉と共に
冷ややかな目を向けられてこれは本気で怒ってるんじゃないかと内心ビクビクしてきた。

　

今までこんなの一度も見たことないから余計に怖いなぁ

なんて思っていると、

家の鍵がガチャリと音を立てると同時に
手首をガッと掴まれ家の中に放り込まれた。

ﾄﾞｻｯ

玄関の段差で足を踏み外し倒れ込む

その瞬間に目の前には彼の不機嫌な顔と

遠くに白い天井が映り込んだ。

『おれさ、好きな人と一緒におるときに
知らん奴でてくるのがいっちゃん嫌いなんだわ』

『それなのにさ、せっかくのお出かけでも野良がさぁ、とか言われたら普通にむかつくんだけど』

彼の珍しく低い声に心臓がギュっと締め付けられる

これは倒れてしまった衝撃なのか

久しぶりに間近で見るローレンの顔に

心臓が脈を打つのに精いっぱいだ

このまま顔が近づいてきて

まるで猛獣に襲われそうな小動物みたいに目を瞑る

鼻にかかる吐息がもうやばい

やばい、心臓止まるかも。

「Aのこと独り占めさせてくんない？」

fin...