検索窓
今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:12,388 hit

2 ページ25

『どうして囲まれてたの?』


SH「ん?…ああ。さっきのことか」


海岸。
ジュンミョンは砂浜に私は海で。


SH「僕はこの国の王子なんだ。…けど、力がなくて国民に責められて…って、かっこ悪い」


切なく俯くジュンミョンに胸が痛くなる。


『そんな事ないよ』


SH「はは、ありがとう」


『嘘じゃないよ』


そう言うとジュンミョンは薄っすら涙を浮かべた。


SH「Aは優しいなあ…」


きっとこの人には抱えきれないほどの痛みが
涙を堪えるしかない傷が

たくさんあるんだ。


SH「人魚って綺麗だよね」


『え?』


SH「Aはすごく綺麗」


優しい微笑みが私の胸を強く握る。
大きく音を立てる胸の意味を知ってはいけない。


「スホ様ーー!!」


SH「迎えが来る…」


『スホ様?』


SH「僕の偽名だよ」


岩陰に隠れる私にはジュンミョンしか見えない。
他の人間に見つかる前に帰らなきゃ。


『じゃあ、私は帰るね』


SH「…また、会える?」


切ない目、また会える自信なんてないのに頷いてしまった。

笑った顔が見たくて。









『お願い、私を人間にして』


海の魔女にそう頼んだ。

もう一度、ジュンミョンに会いたい。


「人間になる方法はあるさ」


『…なんでもするから』


「伝説を知らないのかい」


声と引き換えに人間になった人魚姫。


『私の声をあげる』


そう言うと笑い出した魔女


「私はそんなものいらないよ。そうだねえ…ならお前の愛する人間の記憶を貰おうか」


『どういうこと…?』


「向こうがお前との記憶を無くすのさ」


薬を調合しだす魔女。


「忘れられる痛みを味わいな」


人魚が人間になりたいと望むのはそれほど厳しいことなのか。

ジュンミョンは私のことを忘れてしまう。


『それでもいいわ』


本当は出会ってはいけなかったんだから。


「…ただし、愛する人と結婚出来なければ泡になって消えるからね」


『わかってる』


消えてもいい。
ジュンミョンに会えるなら。


「消えたくなければ相手を殺すんだよ」


そう言って魔女は私に薬を渡した。











そして2年経った今、人魚の私を忘れたジュンミョンの元で私は働いている。


SH「懐かしいね、ここで初めてAと出会った」


『そうですね』


風が頰に当たって気持ちいい。

3→←Baby Don’t Cry(SH)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
17人がお気に入り
設定タグ:EXO , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:enen♪ | 作成日時:2016年5月29日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。