2 ページ20
『チャニョルはここで寝てね』
CY「うん、ありがとう」
『何かあったら隣の部屋に私がいるから呼んで』
CY「分かった」
チャニョルにおやすみなさいと告げて自分の部屋に戻る。
・
『ふあ…』
今日は満月の夜。
もし本当に狼がいるなら今夜は誰が…
だめだめ、そんな事を考えるのはやめよう。
明日はチャニョルを送らなきゃ。
『おやすみなさい』
窓から見える満月にそう言って私は眠った。
・
『…ん』
何だろう。
すごく体に違和感がある。
何かに乗られているような…
ゆっくり目を開けて状況を理解するのに時間がかかった。
CY「A」
『…!?』
私の上に乗っていたのはチャニョル。
チャニョルには大きな狼の耳が生えていた。
口元から見える鋭い牙。
妖しく光る瞳。
怖くて声が出せない。
食べられる…!
CY「怖がらないで」
そう言いながらチャニョルは私の顔に触れる。
長くて鋭い爪が頰に当たる。
『…や、だ』
どうして?
チャニョルは狼男なの?
私の混乱した頭は目の前のシチュエーションを理解できない。
CY「俺はAを食べないから」
違う。
お父さんを食べたのは狼。
狼男は人を食う。
『…醜い狼…っ』
食われたくない。
CY「…っ」
チャニョルが一瞬悲しい顔をした。
『離れて…!』
思いきってチャニョルを押すと簡単に退いた。
窓から見える満月が光る。
その光を受けたチャニョルが姿を変える。
『…だ、誰か!!』
目の前にいたチャニョルは完全に狼になった。
バタバタ
廊下から足音がして
それを聞いた狼は
パリンッ
『きゃあ!』
窓ガラスを破り外へ飛び出して行った。
KI「姉ちゃん!!」
『じょ、じょんいな…』
泣きつく私と割れた窓ガラスを見たジョンイナ。
KI「何があった!?」
『お、狼男…っ』
ジョンイナの腕の中で安心して
震えてた体が落ち着いた。
KI「もしかして…あいつが…」
ジョンインの言うあいつはチャニョルのことだと思う。
無言で頷くとジョンイナが怒ってるのが分かった。
KI「くそ…っ殺してやる」
『ジョンイナ…やめて』
手を汚すのはやめて。
KI「俺が姉ちゃんを守るから」
でも不安だった心をジョンイナが支えてくれた。
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:enen♪ | 作成日時:2016年5月29日 19時