助け合い精神 ページ9
おいおい、この作業をしながらQKの記事も滞りなく提出して、大学の課題もやっていたのかよ。それが率直な感想である。
梱包作業自体はどうってことないのだが、ひとつひとつ商品状態を確認して箱詰め。請求書や納品書をノートを見ながら確認して、同梱して、やっと１つ完成である。これが50個以上ある。
箱も組み立てて、なかなか大変である。
そして、大量のポストカードがあった。これも同梱するのだという。ポストカードの表面には佐山の好きな土地というコペンハーゲンの風景が描かれており、裏には『お買い上げありがとうございます。こちらの商品は...』などと商品の説明やお礼が手書きで書いてある。
「伊沢氏に...申し訳ない...」
「いいから。寝ておけ」
「お手伝いしてくださるなら、私は大学の課題をやらせてもらっても...」
「寝てくれ。ぶっ倒れたら大変だろう」
「...はい」
佐山はしょんぼりしながら奥の押入れから毛布を出してきた。人間、風邪を引いていると弱気になりやすいものだ。それは佐山でも例外ではないらしい。
暫く梱包作業をしていると太腿に重みが。
みてみると太腿を枕にして寝始めていた。待て、待て、待て。
どういう状況だよ...
しかし、体調を崩している者を起こすのも気が引けたのでそのままある程度作業を進め、そーっと彼女の頭を枕に置いた。
どのくらい経っただろう。箱が空になり無事に作業が完了した頃には朝日が出ようとしていた。
寝ている佐山に「終わったからなー、安心しろー」と声をかけてやる。
流石に俺も疲れたなぁ。大きく欠伸をしてゴロンと後ろにそのまま倒れるように寝転ぶ。
...と、横にはスヤスヤ寝ている。佐山。
睫毛長いな...
肌、白...
こんな至近距離でまじまじと顔を見たのは初めてだ。
髪、ほっそ...
やっぱ顔立ち整ってるよな...
いつだか誰かが言ってたな。最近、大学内でも人気だとか。でも、なかなか遊んでくれないらしいと。そりゃそうだ、今日のような仕事量では厳しいだろう。
明日の予定が午後からでよかった。朝イチの予定だったら、寝ている時間はもう極僅かしかない。
あぁ、俺ももう限界だ。ちょっと寝かせてくれ。
佐山の被っている毛布に潜り込み、身を寄せて、目を閉じた。
まさか佐山の家にまた泊まることになるなんて思わなかったな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 305人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
zx2to5(プロフ) - >>林檎さん 嬉しいです！ありがとうございます(^-^)のんびりですが亀更新していきますのでまた読んでくださると嬉しいです！ (2020年8月19日 22時) (
レス) id: 6bc55a23b1 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - この面白い話を一番最初から何回見たことか！楽しんで見させていただきました！ (2020年8月8日 1時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
zx2to5(プロフ) - ありがとうございます！またアフターストーリーを書こうかと思っていますのし、他ルートも作っていくのでそちらもできればよろしくお願いします( ^ω^ ) (2020年4月14日 11時) (レス) id: 6bc55a23b1 (このIDを非表示/違反報告)
rio - 完結おめでとうございます！楽しませてもらいました！ (2020年4月14日 0時) (レス) id: fc34d02cb0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：モスモス | 作成日時：2020年4月9日 8時
