ペトリコール ページ42
草津へ着いた頃にはペトリコール(雨降りの匂い)が、ゲオスミン(雨上がりの匂い)になっていた。
にしても、雨が上がって良かった。
到着してからはゆっくりできたし、傘をささなくてもいいから初めて手を繋いでデートした。
念願の「草津の湯もみ」も見れたし、足湯も入れた。大満足である。
「なんか、拓司さん幸せそうな顔してるぅ」
「うるせぇよ！仕方ないだろーが、久々に出掛けれたんだから。ほら、ちゃんと出掛けるのあの時の神戸以来でしょうが」
「あぁ！あの弾丸神戸旅ね！あのときは大吟醸美味しかったねぇ！」
「それ！帰ってきてから飲んだやつ！」
「え？そうだっけー？わーすれちったー！」
なんともお気楽な奴である。このお気楽野郎が、小さい会社といえど社長と誰が思うだろう。
ちなみにだが、今日はさすがにスウェットではなくロング丈のワンピースである。うん、かわいい。
足元クロックスだけど。何故クロックスなんだろうかと聞いてみると「これ！大学生！めっちゃ履いてる！つまり！超流行ってる！」というのだけど、ズレてるのは言わんこっちゃないのでもうスルーした。教えてあげるのが優しさとかいうがそういうのは後々どうせわかるだろうから今はこのクロックスを履き古せばいいと思う。
少しずつ暗くなってきた頃、そろそろ戻ろうかと宿に足を向けた。夕飯までにお風呂に入りたいというのは2人ともの意見だ。
「温泉、最高だったねー！」
「まじで気持ちよかった！明日は女湯と男湯入れ替わるんだってさ」
「へー！もう湯疲れしちゃうくらい、温泉入る！」
「A、それはやめてくれ」
「失礼致します。御夕飯をお持ち致しました。」
今日の夕飯はAの好きなお肉料理である。見ての通り、Aちゃん大興奮ですよ。
「Ich habe noch nie ein so wunderbares Gericht gesehen！Очень здорово！」
「え？あ、はい...？あ、ありがとうございます！」
「ドイツ語とロシア語混ぜんな」
「Очень здоровоで私とっても嬉しいです！готовить！Спасибо！」
「ま、えっと、ありがとうってことです」
「は、はぁ...で、では、ごゆっくりどうぞ」
「拓司！！Спасибо！こんな素敵なところに連れてきてくれて！今までみたお肉料理で1番美しいよ！いやぁ、日本って素敵！」
そこまで喜んでくれるとは思ってなかった。
久々にハイパーバイリンガルモードみた気がする。
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zx2to5(プロフ) - >>林檎さん 嬉しいです！ありがとうございます(^-^)のんびりですが亀更新していきますのでまた読んでくださると嬉しいです！ (2020年8月19日 22時) (
レス) id: 6bc55a23b1 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - この面白い話を一番最初から何回見たことか！楽しんで見させていただきました！ (2020年8月8日 1時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
zx2to5(プロフ) - ありがとうございます！またアフターストーリーを書こうかと思っていますのし、他ルートも作っていくのでそちらもできればよろしくお願いします( ^ω^ ) (2020年4月14日 11時) (レス) id: 6bc55a23b1 (このIDを非表示/違反報告)
rio - 完結おめでとうございます！楽しませてもらいました！ (2020年4月14日 0時) (レス) id: fc34d02cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モスモス | 作成日時：2020年4月9日 8時
