は？ ページ27
「…そ、それはマジで真面目にですか？」
「そう。俺、佐山のこと好き」
「お、おう...！」
「...嫌？」
「嫌とかじゃなくて、あの、その...」
「何？ゆっくりでいいよ」
頭が沸騰しそう。顔が赤い。間違いない。湯気出てない？体内の何かしらの物質が気化してない？
伊沢氏が？東大王のクイズ王の知識王が、私を好いてくれていると。本人が目の前でそう語っているから間違いはないはずなのだがどうも受け入れ難い。
今日友人に言われた言葉を引用すると『天地がひっくり返るの？マヤ文明が明日で終わり？近所のコンビニが潰れた？』である。あ、最後まじで関係なかったわ。
「おーい、Aちゃん？...パンクしてる？」
「...私は平然を保とうと努力している」
「...保ててないよ」
「あのさ、俺はこれからもAとくだらない言い合いして、知識比べして、ジム行って、タピオカ飲んで、こうやって仕事して、一緒にご飯食べたいんだけなんだよ。...今までそれが出来てたのはクイズノックがあったからだと思う。でも、それらがなくなったらと思うと俺は寂しい。Aは女性としても努力家で博学多才で素敵だと思うから、だから...付き合ってほしい」
そう告げる彼の思いはひしひしと伝わってきた。
あぁ、今思えば私の大学生活が豊かなものになっているのも彼のお陰である。
彼と馬鹿みたいに知識比べして、深夜まで仕事して、どうでもいいことで笑っていた。
それがなくなると？あぁ、彼が帰った後の夜の空気がずっと続くのか。それは勘弁したい。ウサギじゃないが寂しくて死にそうなときがある。
私が今までのことを思い出して長考していると、彼は鞄を担いで帰ろうとする。
「ごめん、困らせた。今すぐ返事しろって訳じゃないから。仕事忙しいのに考え事増やしてごめんね」
貴方こそ今、困ったように笑ってんじゃん。
何言ってんの。
「待ってよ...私だって、これからも伊沢と知識比べして...まだ勝ててないし。ジム行って...ま、まだ体幹も鍛えれてないし。あと、新しいタピオカ屋さんも出来たから行きたいし、だ。その、今日借りてきた本のレシピも試してないし、だ。...つまり、だ、私で良ければ...良ければだけど！よろしくお願いします」
伊沢と目合わせれん。めっちゃ顔赤い。けど、ドアを閉める瞬間にやっぱりあの空気を思い出したら寂しかったから。
「俺はAがいいから」
抱き寄せられた私はこの人の胸板ってこんなに厚いのかって思った。
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zx2to5(プロフ) - >>林檎さん 嬉しいです！ありがとうございます(^-^)のんびりですが亀更新していきますのでまた読んでくださると嬉しいです！ (2020年8月19日 22時) (
レス) id: 6bc55a23b1 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - この面白い話を一番最初から何回見たことか！楽しんで見させていただきました！ (2020年8月8日 1時) (レス) id: 618a98841b (このIDを非表示/違反報告)
zx2to5(プロフ) - ありがとうございます！またアフターストーリーを書こうかと思っていますのし、他ルートも作っていくのでそちらもできればよろしくお願いします( ^ω^ ) (2020年4月14日 11時) (レス) id: 6bc55a23b1 (このIDを非表示/違反報告)
rio - 完結おめでとうございます！楽しませてもらいました！ (2020年4月14日 0時) (レス) id: fc34d02cb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モスモス | 作成日時：2020年4月9日 8時
