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変なやつ ページ39

明日は2人とも朝早くから大学に行かないといけないので早めにお暇させていただくことにした。


「ちゃんと鍵かけろよー」

「Yap!当たり前でしょ?」

「福良さんがあいつ施錠ってものを知らないとか言ってたぞ」

「...わかりましたよ」

「図星かよ」

「じゃ!ま!そういことで!またオフィスで!会おう!」

「おぅ。おつかれい」



ぼろぼろの階段を降りているとガチャッと鍵がかけられた音がした。
よし、と思ってしまった俺もどうかと思う。

手にはボリビア産の陶器に入った通称アルベルティーナ。なんとなく、アルベルティーナもAちゃんに呆れているのでないかと思う。


ほろ酔い気分で身体も若干火照っているようや気がする。
そういや、最近は忙しくてなかなかお酒を嗜まなかったなぁ。


ブブブ...


ポケットに入れていた携帯電話が着信を告げる。
誰だろ...

Aちゃん?



「はい?」

「あのさー」

「何?」

「鍵かけた」

「...は?」

「だーかーら!!!鍵かけたよ!!ってば!」


...小学生かよ。


「ふはっ.!!お前!ばっかじゃねぇの!」

「な、何よ!」

「はいはい、いい子いい子」

「子供扱いしないでくれる?fjols(バカ)...!!」

「あ!今さ、絶対悪態ついただろ!何処の言葉かはおいといて!」

「御名答!」


気付けば家の前に着いたけど、なんだか着いたら電話を切らないといけない気がしてそのまま素通りして自販機まで向かった。


「そういえばさ、今度またあそこのcafeteria行きましょうよ!」

「お?ついにオープン?」

「そ?来月なんだけどね」


あそこのカフェのコーヒー美味しいもんなぁなんて言いながら、自販機で110円のコーヒーのプルタブを空ける。


「あ!また飲んでる!ムカエザケ?っていうんだっけ?」

「 これは"追い酒"な。それは2日酔いで飲む酒だよ。ちなみにコーヒーだから、これ」

「えぇー、そうなんだ!じゃ、私の飲んでるこれも"追い酒" right.?」

「んー、まぁそうだな!って飲んでるのかよ!おぃ!」



結局この酔っ払いのせいで肌寒い空の下で長居してしまった。
缶コーヒーもとっくに冷めて美味しさ半減。


「またな」ってお互いに電話を切った後は、心はすごく充実したような感覚だった。
あぁ、この感覚。久々な感じ。

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作者名:モスモス | 作成日時:2020年4月13日 0時

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