唐突にそれは ページ17
本日はとてもお日柄がよく、えぇとても。太陽がサンサンとしており、えぇとても。日差しが眩しく、とても。近頃の若者は元気ですね、とても。えぇ、それはもう眩しいくらいに。はい。
「...こんな暑いなか何故元気なのか」
「だって！！たまにはさ！身体動かさないと」
「ジムでいいじゃん」
「人間も少しは光合成しとかないと！」
須貝氏の血液中には、藻類か何かが寄生しているんだろうか。もし、人間に光合成の力があれば地球温暖化なんぞとうの昔に解決してそうなのでそれは無いだろうがな。
オフィスで仕事を終えたところで、須貝氏に「ちょっと付き合ってくれない？」と言われたので「いいよ」とオッケーしたのだ。
オッケーしたのは間違いない。しかし、仕事終わりの「付き合ってくれない？」は間違いなく「飲み」だと思うだろう？
「河原でキャッチボールなんてきいてねぇぇ！！！」
「まぁ、いいじゃない？...っとナイスボール！！」
うわ、さっきいい感じにカーブボール投げれたわ。
キャッチボールなんていつぶりだろうか。わかんない。同じような競技でいうと、この前、ドイツの農場でボーダー犬とフリスビーした。
「Aちゃん、腕いいね！スポーツしてたのー？」
「あーーー、うん。色々かじっただけ。極めてないけどね」
クリケットや、スケート、フットサルやらなんやら。日本の中学では1年くらいバレー部に入ってた。高校は陸上部。得意なものもない代わりに、そつなくこなしていたほうだと思う。
「日本って本当、野球大国だよね！！！もうさ、野球！野球！って感じ。昔、大阪に住んだときなんて阪神タイガースへの熱意？が凄くてびっくりした！かと思えば、名古屋は中日ドラゴンズ！って。また、そのチームのマスコットがキュートで驚いたよ！…投げるよーっと！ごめーーーん！飛ばしすぎた！」
「ぅおおおい！！！いい肩してんな！」
河川敷の向こうでは子供たちもキャッチボールをしていたり、はたまた犬の散歩をしている人や、下校中の高校生。おい、青春だからって2人乗りはいけないぞ？
「すーーがーーいーー！！！」
「なにーーー？？？」
「なーーげーーろーー！！！」
「いくぞーーー！！！」
悪くないよね。こんな夕暮れ時も。
「てめぇ！！！飛ばしすぎ！！！」
「悪い！悪い！！」
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作者名：モスモス | 作成日時：2020年4月13日 0時
