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次の日、昼過ぎにオフィスに顔を出すと昨日の陽気はどこに行ったのか、死神のようなAちゃんがいた。顎をデスクに乗せて、猫背も猫背な姿勢でパソコン作業をしている。
いつもはイチゴオーレやタピオカなどの空が並んでいるデスク端は、ウコンパワー飲料が陳列していた。


「Nice guy?Do you remember yesterday?」

「いや、覚えてるけどさ?大丈夫?あんだけ飲んで」

「No...」

「だろうね。お大事に。ま、これからは教訓をいかすんだな」

「Yap...」


おいおい、大丈夫?自業自得とはいえど、ちょっと心配してしまう。福良さんが「何?何?何?」なんてニヤニヤしながら聞いてくるけど、別に何もない。
飲みに行っただけだ。
昨日のことをありのまま説明すると、「そりゃ御苦労さん」と言われた。
別に疲れてないんだけどなぁ。介抱したわけでもないし。
さ、俺もやるかなとパソコンを立ち上げたとき、トイレの方向から思いっきり嗚咽が聞こえた。



「オェエエエエエエエ!!!」


「え?!」

「ちょ!Aちゃん!?」


2人して駆け寄ると、トイレから出てきたのは『私、吐いたらスッキリしましたぁ』と顔に書いてあるニコニコの彼女。


「さ、編集しよーっと!福良さんも、ナイスガイも、何?作業戻りなさーい」



何この子。
2人して呆気にとられた。思わず吹き出して笑ってしまった。


「なんか、俺さぁ...」

ここまで女の子に振り回されて、それが嫌じゃなくて。もっと知りたいと思う感情、久々なのかもしれない。


「須貝さん?何?」

「ううん、なんでもない」

「ふーん」



デスクへ戻るとキーボードの下に紙切れ。

【昨日ありがとう】

乱雑な字。そして裏側にはマスキングテープで守礼門のお札(弐千円札)が。おいおい、お金をテープで貼っちゃいかんだろ!とそーっとそーっと外す。

Aちゃんの方をみると、さっきのウコンパワーの列の最後尾がイチゴオーレになっていた。
すっかり本調子のようでよかった。


「ねぇ、ナイスガイ?」

「ん?どうした?」

「またいこーねー?」

「そうだね。まぁ、調子がよろしいようで」

「Yap!!お陰様で」

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作者名:モスモス | 作成日時:2020年4月13日 0時

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