思うこと ページ11
コンビニから戻るとオンモードのAちゃんが編集を始めていた。こんなにオンとオフの差がはっきりしてる子も珍しいよなぁと思う。
邪魔しないように、頼まれていたエスプレッソとおまけのチョコレートをデスク横にそっと置いておく。
多分、一息ついたら気付くはず。
いつも下ろしている長い黒髪もポニーテールにして、前髪もアップして(ポンパ?ポンパなにちゃらだったと思う。前にクイズに出題されていた)、気合入れてるのに邪魔をしてはいけない。
こちらも作業にとりかかり始めた頃、電源がオフになったようだ。「お、エスプレッソ!わ!わ!わ!チョコレートじゃん!!ありがとー!」と、ストローでカップを突き刺す音がした。ドライな性格な彼女のテンションをこれだけ一気にあげるチョコレートは最強なのかもしれない。チョコレートもきっと本望だろう。
チョコレートを口に放り込み、エスプレッソを飲む。そして、慣れた仕草でタバコを1本加えてライターを持ってベランダへ出て行く。
別になんてことない動作。でも、ひとことで言うならば「絵になる」と思う。
「...はぁ」
「どうした?須貝さん」
「別に」
「私が相談に乗ってやろうか!!」
グイッと肩を持ってくるAちゃん。あんたに相談できるわけないでしょーが!というのは心の中で止めておいて「なんでもないよー」と答えておく。
ふわっとやってきたタバコの香りが鼻にツンときた。
「あ、そう!せっかくだったのにさぁ」
ちぇっと言いながら冷蔵庫を覗く彼女に「コーヒーとって」とお願いするとほい!と渡されたのは「イチゴオーレ」。なんでやねん!
「美味しいよ?」
知ってるし!別にいいけどさぁと思いつつストローを突き刺す。あっま!知ってたけど、あっま!
チラッと横を見ると、もうオンモード。パソコン画面に釘付け。凄い集中力である。
さて、俺もやるか!
データを読み込んで、各自仕事に取り込んだ。
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作者名:モスモス | 作成日時:2020年4月13日 0時