挨拶 ページ2
オフィスに着くと、もうすでにこうちゃんと伊沢氏が出社している。
ってことは、
「Bom dia！」(ボン・ジア！)
「え！待って！...ポルトガル！！」
「ピポピポピンポーン！！」
「こうちゃんに負けたァァ！！あ、Aちゃん、おはようございます」
「おはよう御座います」
最近、QKで流行っているのが『A出題☆世界の国からおはようクイズ』である。働いた経験がある方ならお分かりだろうが、日本では出社したら何時何分だろうが、丑三つ時でも「おはよう御座います」なのである。はじめは私のよく使ってる言語(露・丁抹・英)で挨拶し始めたのがきっかけである。
デンマークを漢字で書いたら『丁抹』になると山本が教えてくれた。私、抹茶は嫌いなのでコレには改正を申し上げたいところである。
おっと、話が休校を期待していたときの早朝の台風並みに逸れすぎた。
で、それからというものの出社時の『おはようございます』を私がどこの言葉で言ったか当てるクイズをするのがブームなっているのだ。因みにだが、暗黙の了解で予習復習はしないことになっている。
今日は須貝氏とバチカン市国の話からヨーロッパの話になり、ポルトガル語は挨拶程度は知っているので出題してみた。
「成る程ね。さっきヨーロッパの話してたからか」
「でもポルトガル語はブラジルでも使われてるし、優しめでしょう？」
「確かに」
そんなこと言いながらそれぞれデスクに座る。
今日は私が編集、伊沢氏と須貝氏は撮影準備か。
こうちゃんは記事の添削作業中のようだ。
「あ、お願いがあるんですけど」
「ん？」
「あとで、私の記事の最終チェックしてもらってもいいですか？」
「あー、オッケー。伊沢さん電話してるし。今、みるわ。」
「Thank you.ありがとうございます」
パソコンを覗き込んでいる須貝氏の眉がピクと動いた。え？なに？間違ってる？まじか。めっちゃ確認したのに。
「ここ直した方がいいと思う」
「え？」
「『違和感を感じる』っていうのはまぁ色々な意見があるんだけど『二重表現』と捉えている人も沢山いるわけだから、好ましくないかな。」
「ほう」
「『違和』っていうのは確か、いつもと違うことじゃん？『いつもと違うことの感覚』が『違和感』だから別にオレ的には『いつもと違う感覚を感じた』と処理していいと思うけどね」
「私は『違和感を感じる』っていう言葉は、ことわざか何かかと思ってました」
「おい、それは話が変わってくるじゃん」
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作者名：モスモス | 作成日時：2020年4月13日 0時
