輝く未来を求めて～２～ (ページ29)

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出会いページ29

鳥居をくぐり、中に入る。そこの景色は前と何も変わっていなかった。ふわり、と風が秋彦の髪をなでるように吹いた。その風を秋彦はなんだか温かく感じた。ひしゃくに水をくみ、手と口をゆすぐ。そして、お賽銭箱の方へと歩を進めた。１０円玉を投げ入れ、清香と一緒に鈴のついた綱をゆすった。カランカラン、と乾いた音が誰もいない神社に響く。目を閉じて清彦の合格を願った。と、隣に誰かいるような気配がした。左に清香がいることはわかっているのだが、右にも気配を感じるのだ。秋彦はそっと目を開けた。
「！」
さらさらとした髪と、手を合わせた時の横顔。それは秋彦の中であの時であった千人とかぶった。
「あの・・・」
遠慮がちに声をかけてみるとその人は、はっと目を開け、秋彦を見た。
「お前・・・」
「千人さんですよね？」
「ああ。秋彦、だったよな？」
「また、会えましたね」
「ああ。いや、本当に立派なったな、お前」
「千人こそ」

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