輝く未来を求めて～２～ (ページ27)

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参拝（清彦と秋彦＆清香がごちゃごちゃしててすみません）ページ27

二人で歩いていくと、懐かしい鳥居が見えてきた。秋彦は、自分が大学を受験する前にここに一度だけ来たことがあるのだ。それ以来だから、もう何年ぶりになるのだろうか。秋彦は、自分がこの神社に来た時のことを思い出していた。
絵馬に丁寧に「志望する大学に入学できますように」と書き、絵馬をかける場所に持って行った時だった。一人の若い男がお賽銭をして手を合わせているのを見かけた。神社内には自分とその男しかいなかったので声をかけてみた。
「こんにちは」
男は少し戸惑っていたが、
「どうも」
と返してくれた。しばらく沈黙が続いた。やがてその空気に耐えられなくなったのだろう、男が口を開いた。
「あなたは、大学受験ですか？」
「はい、そうです。あなたもそうですか？」
「いや、僕は就職できるように、と願いに来た」
「そうなんですか」
「早く職について、母を楽にしてやりたいんだ。父がいないからな」
「・・・。そうなんですか」
「すまない、暗い雰囲気にしてしまったな。俺が大学に行けなかった分、お前は頑張れよ。応援してるぜ、じゃあな」
「あ、えっと・・・」
「なんだ？」
「お名前、聞いてもよろしいですか？」
「ああ。俺は、月岡千人(せんと)っていうんだ。お前は？」
「近藤秋彦」
「そうか、よろしくな」
「はい」
「じゃあな。本当に、頑張れよ！」
「わかりました。頑張ります」

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