【呪術廻戦】親友の姉6【五条悟】

286話 ページ44

『初めて会ってからもう8年も経つのかぁ。』

恵｢そうですね。｣

『去年は津美紀と一緒にケーキ作ってたのにね。』

恵｢……はい。｣

『恵も初めはあんなにツンツンしてたのにさぁ。今もつんつんしてるけど、だいぶ丸くなったよねぇ。』


とツンツンしている髪を撫でると鬱陶しそうに手を跳ねられた。

初対面から8年が経った2017年12月の頭。
今日は悟の誕生日会をしようと伏黒家に集まったと言っても私と恵だけだけど。

8年前、呪術師としての仕事がない代わりにこの子達の親代わりを悟と共に務めるようになった。

親子会、運動会、授業参観、卒業式、入学式、それから恵の反抗期。様々な事をこの子達と悟と過ごした。

恵の反抗期は今でも若干続いてる節は有るけれど、一時期は学校の不良を力で捩じ伏せ学力でも捩じ伏せお山の大将してたっけ。

そりゃ小学生の頃から私と悟が体術を教え込んで術式を扱える様に鍛えてたんだから一般人になんか負けるわけないけど。
尖ってた恵も可愛かったなぁ。


『来年は、津美紀も一緒に出来るといいね。』

恵｢そうですね。｣


そして今年の4月、津美紀が呪われて寝たきりになった。未だ解呪の方法は分かってない。悟と硝子が見ても分からないそうだ。

もし、私の術式を奪った呪符が残っていたのなら、わんちゃん助かるかもしれないと思っていたけど、アレを作った張本人は精神を病んで(正式には悟にボコボコにされて精神疾患を負った)そんなこと出来るわけない。
私の術式が入ってた呪符使えるかなって思ったけど悟が既に破棄していたし、何よりあの呪符は一度使ったらもう二度と使えないらしい。


『まぁ、きっとこのうち見つかるよ。解呪の方法。』

恵｢だと良いんですけどね｣

『あんま気負ってても仕方ないし、残された人間が気負ってもどうにも出来ないことだってあるんだから。』

恵｢わかってます。｣

『なら良し。』


傑の事も、私の術式の事も。

私は沢山私を責めたし、どれだけ消えたいと思って悩んだ事か。


『私も悟も恵と津美紀の味方だよ。安心しなね。』


カチャカチャと卵を掻き混ぜながら恵に言った。
あの時悟が私に寄り添ってくれたように、私もこの子達に寄り添えるように。


恵｢それ、前も聞きましたよ。｣

『だって何回も言ってるもーん。』

恵｢……俺、昔からアンタら2人似てるなって思ってましたけど、今の滅茶苦茶似てましたよ。｣

『まぁもう13年くらい一緒にいるからね。』


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