270話 ページ28
〜A side〜
悟くんは私の体に触れる前に絶対許可を取ってくれる。
怖くない?とか気持ち悪くない?と聞いてくれる。
優しいいつもの悟くんで安心した。それと同時に自分がどんどん惨めになっていく。
少しの間でも悟くんが浮気していると信じ、自分で赴いたホテルには予想外の人間がいて、自分の慢心で酷い目に遭い、悟くん以外の男に汚された。腹の中までこの5年を塗り潰すように。
五「自分で拭けそう?」
『ん、』
五「気持ち悪くなったらすぐ言ってね。」
『(コク』
声が出せない私にYESかNOで答えれる質問で聞いてくれて、私が怯えないように自分の体をサッと拭いて下着を身につけた。
私も恐る恐る肩にかけられたタオルを取り、身体の水分を取った。
腹にあった打撲痕は消え、付けられていたキスマークも消えてる。なのに胃袋は少し重くて見た目も少し出張っていた。
『っ……』
先程までの出来事が頭の中にフラッシュバックする。
汗ばんだ気持ち悪い手で身体を撫でられ舐められ、名前も知らないような玩具で身体を開かれた。
舐められて触られた腕や足が途端に汚く見えた。
全部、綺麗にしなきゃ。こんな汚い身体、悟くんに触られたくない。こんな身体を触らせてしまうことが申し訳ない。
そう思ってタオルでゴシゴシと腕を擦った。
赤くなってもまだ綺麗じゃなくて気持ち悪くてずっと左腕をゴシゴシと擦った。
汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い
五「ストップ。」
涙で視界が霞んだ時、悟くんの手が私の右手を掴んだ。
思わず目を見開いて後ろを振り返ると凄く悲しそうな顔で私の手を取る悟くんが居た。
五「…………だめだよ。」
後ろから包み込む様に抱き締められ身体がビクッと震えて硬直する。
今まで汚い、という感情一色になっていた心に怖いという感情が割行ってくる。
五「これ以上、Aが傷付く必要無いんだよ。今まで沢山傷付けられて来たのに、もうこれ以上自分で傷を増やしたりしないで。もっと自分を大切にしてよ。」
懇願する様な声で肩口で呟かれてしまい、恐怖とは違う意味で固まった。
どうして悟くんがそんな風に言うの。悟くんは悲しむ必要もないのに、悟くんはもっと私を責めて良いはずなのにどうしてしてくれないの。
『《わたしは、汚いから…》』
どうしてこんなに汚いのにまだ貴方は優しくしてくれるの?
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華渚(プロフ) - 夜一さん» ありがとう夜一さん!笑是非お時間あれば、読み返して暇を潰してくださいな笑 (2021年4月24日 8時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
夜一(プロフ) - 1人暮らしおめでとう華渚さん!!笑笑ゴールデンウィークの間にパンピー読み直そうかな。更新楽しみにしてまーす!! (2021年4月24日 8時) (レス) id: 9c7154762c (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - nekoさん» ありがとうございます!!更新しない間、前作今作読み返して暇を潰して頂けるととてもとても嬉しいです!なるべく早く復帰出来るように片付け頑張ります!! (2021年4月20日 10時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
neko(プロフ) - 初コメント失礼します。前作も含め華渚さんの小説が大好きでいつも開く度にわくわくドキドキしています!新生活大変だと思いますが応援しながら更新も楽しみにしています(^O^) (2021年4月20日 9時) (レス) id: be50ebfe24 (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - とことんさん» 泣きそうありがとう……泣 (2021年4月20日 9時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華渚 | 作成日時:2021年3月12日 19時