266話 ページ24
〜五条 side〜
Aを一度マンションに連れ帰ったものの結局自分じゃ傷を治す事が出来なくて硝子を呼んで体を診てもらった。
喉はずっと奥まで異物を突っ込まれていた為声帯が傷付いて声が出し辛くなっているけど、傷が治れば問題は無いらしい。
腹にある打撲痕もただの打撲痕。
ただ心配なのは腕にあった複数の注射痕。それの正体は今ホテルの部屋に監査が入ったから後々分かるだろうと言われて外傷の件は終わった。
胃袋がぽってりしているのは中村・澤田の体液が止めどなく流し込まれ胃袋に溜まっている状態らしい。水の飲み過ぎでタプタプになってる時と同じだと言われた。
本人が嫌がるなら吐かせてやれと嘔吐剤を渡された。
家「それと、コレだが……」
五「うん、」
Aを寝かせているベッドルームの隣にあるリビングで僕のPCに映し出される先程までの映像を2人で見た。
本人は嫌がるだろうけど医者の卵で同性の硝子にも見てもらった方がいいと判断した。
家「…………酷いな」
異物を胎内にねじ込まれ、精神も尊厳も踏み躙る様な行為の数々。
嫌だと泣き叫ぶAの身体を無理やり開き、術式という力も物理的な力も奪って一方的に愛を囁き時に暴力で捩じ伏せていた。
その度Aは怯え、己の無力さに涙を流し薬で昂められた身体を制御出来るはずもなく与えられた快楽を受け入れていた。
五「…………やっぱあの時殺しとけば良かった」
3年前のあの日、あの時こいつを殺しておけばAがこんな目に遭う必要なかった。僕があの時ちゃんとAを引き止めて話を聞いてあげていればこんなに苦しむ必要が無かった。
五「…………」
家「カウンセリングの手筈は整えておく。五条はAセンパイの苦にならない程度で傍に居てやれ。これだけの事をされればもしかしたらオマエにも怯えるかもしれん。もしその時は、」
五「わかってる。その時は、ちゃんとした距離感を保つよ。」
わかってる。そう自分に言い聞かせてAが僕を怖がらない事を祈った。
家「それじゃ、私は行くから。中村の治療をしなくちゃいけない。」
五「治療、するんだ。Aをこんな目に遭わせた奴なのに?」
家「…………あぁ。」
玄関まで硝子を送り、靴を履いた硝子が振り返りながら言った。
家「途中までな。」
五「……ハハッ!オマエやっぱ最高。さすが俺の同期だよ。」
家「不本意ながらそうだな。」
それじゃ、と言って部屋を出て高専へ向かった。
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華渚(プロフ) - 夜一さん» ありがとう夜一さん!笑是非お時間あれば、読み返して暇を潰してくださいな笑 (2021年4月24日 8時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
夜一(プロフ) - 1人暮らしおめでとう華渚さん!!笑笑ゴールデンウィークの間にパンピー読み直そうかな。更新楽しみにしてまーす!! (2021年4月24日 8時) (レス) id: 9c7154762c (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - nekoさん» ありがとうございます!!更新しない間、前作今作読み返して暇を潰して頂けるととてもとても嬉しいです!なるべく早く復帰出来るように片付け頑張ります!! (2021年4月20日 10時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
neko(プロフ) - 初コメント失礼します。前作も含め華渚さんの小説が大好きでいつも開く度にわくわくドキドキしています!新生活大変だと思いますが応援しながら更新も楽しみにしています(^O^) (2021年4月20日 9時) (レス) id: be50ebfe24 (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - とことんさん» 泣きそうありがとう……泣 (2021年4月20日 9時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華渚 | 作成日時:2021年3月12日 19時