261話 ページ18
中｢さ、もういいだろう。｣
1人がけのソファーに座ってこちらを傍観していた中村が声を掛けた。
澤田くんは頬を赤らめてこちらを見ている。いつの間にか肩に憑いていた呪霊は居なくなっていた。
古｢えー。まだ足りない。｣
罵詈雑言を浴びせながら私を蹴っていた古井と高橋は蹴ることを辞めずに答えた。
高｢ねぇ、顔も蹴っていいでしょ？見るに堪えない顔にしてやりましょうよ。｣
さっき頬を叩かれた時に口の端を切ったのか口の中が血の味がする。
『……はぁ、はっ、……はぁ、』
息が上がって、顔と身体の中心が暑い。
中｢私が辞めろと言ったらやめろ。そういう契約だ。｣
中村はソファーから立ち上がってこちらに向かって歩いてくる。
古｢でも、｣
中｢でもじゃない！｣
着ていたスーツの内ポケットから出した刃物で古井の首を掻っ切った。
『っ、』
高｢きゃああああああ｣
隣にいた高橋に血が掛かり、私の目の前にドロドロとした血が流れて来ていた。
中｢五月蝿い｣
叫んでいた高橋も古井同様頸動脈を掻っ切られ息絶えた。
中｢反省したかい？｣
中村は刃物を内ポケットに仕舞うと私を抱き上げた。
中｢君はココにある呪符の調査をしに来たはずだね。｣
『そ、うっ、』
中｢うんうん。それでその呪符と言うのがね、これだよ。｣
私を乱雑にベッドの上に放り投げた。
そして着ていたスーツのポケットから呪符を1枚取り出した。
縦長の呪符に墨で何やら呪文の様な文字が書かれている。
中｢これの効果は貼り付けた物の呪力･術式をこの呪符に移す事。｣
『っ、それは、』
中｢これは呪術師を非呪術師にする呪符なんだ。そしてコレは今さっき君の背中に貼った。さっき術式が使えなかったのはその所為だね。｣
シュルシュルとスーツのジャケットを脱ぎネクタイを外し第1ボタンまで締めていたボタンを1つ緩めた。
中｢君の素敵な術式を奪ってしまったのは心苦しいけれど、仕方ないよね。君が乱暴しようとするのを防ぐ為さ。｣
澤｢はぁ……はぁ……げ、夏油さんっ、｣
中｢こら、待ちたまえ。｣
ベッドに登ろうとしていた澤田くんを止めて話を続ける。
中｢術式も使えない、呪力もない。筋弛緩剤で緩んだ筋肉ではお得意の体術も使えない。そしてこの部屋には君と私たちの3人しか居ない。｣
スルッと私の頬を撫でる。
サーーっと血の気が引くのに体は火照って暑い。
中｢今からは愛を確かめる時間だ。思う存分楽しもうね。｣
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華渚(プロフ) - 夜一さん» ありがとう夜一さん！笑是非お時間あれば、読み返して暇を潰してくださいな笑 (2021年4月24日 8時) (
レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
夜一(プロフ) - 1人暮らしおめでとう華渚さん！！笑笑ゴールデンウィークの間にパンピー読み直そうかな。更新楽しみにしてまーす！！ (2021年4月24日 8時) (レス) id: 9c7154762c (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - nekoさん» ありがとうございます！！更新しない間、前作今作読み返して暇を潰して頂けるととてもとても嬉しいです！なるべく早く復帰出来るように片付け頑張ります！！ (2021年4月20日 10時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
neko(プロフ) - 初コメント失礼します。前作も含め華渚さんの小説が大好きでいつも開く度にわくわくドキドキしています！新生活大変だと思いますが応援しながら更新も楽しみにしています(^O^) (2021年4月20日 9時) (レス) id: be50ebfe24 (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - とことんさん» 泣きそうありがとう……泣 (2021年4月20日 9時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華渚
| 作成日時：2021年3月12日 19時
