260話 ページ17
ソファーの背もたれにもたれかかっていた私を澤田くんが支えてベッドのある広い部屋まで移動させられる。その間ずっとごめんね、ごめんね、と謝っている。
古井と高橋が私の後ろでクスクスと笑っている声が聞こえる。澤田くんはベッドのある部屋に到着すると私の腕を背後で縛った。そして私の背中から何かをピリピリと音をさせて剥がした。
すると澤田くんは離れて行き、足に力が入らない私はガクンと地に膝を着いた。
『術式も呪力も使えない。どういう事だ。』
中「口の利き方がなってない。」
中村は私の頬を思いっきり叩きつけ、腹を蹴り飛ばした。
『っ、ぐ、』
古「ハハッいい気味。」
呪力を込めて守る事も出来ない私は蹴られた反動で背後にいた古井と高橋の所まで飛ばされた。
古「ねぇ中村様。コレ、私達が痛め付けていい約束でしたわよね?」
中「ある程度はね。でも顔はやめておくれよ。」
古「わかってますよ。」
そう言うと高橋と古井は私を囲み好き勝手に蹴った。
『っ、う''、……ぐ、』
古「よくもっ!よくもあの時ズタズタにしてくれたわね!!!」
両手が背中で縛られているからお腹を守る事も出来ないから蹴りがどれだけ弱かろうと蹴られれば痛いし、古井に関しては腐っても呪術師。
女にしては蹴りの力が強い。
古「おかげで!!私は!!こんな惨めな人生を送らなきゃいけなくなったのよ!!」
目をぎゅっと瞑って痛みを堪える。
どうして術式が使えない?どうして一気に呪力が尽きたのか。あの背中のペリペリという音は何?あとどうしてこんなに体が暑いの。シャンパンに混ざってたのは本当に筋弛緩剤だけだったの?
古「まぁでも、私の術式で加工した写真でまんまと引っかかってくれたんだからざまあないわね。」
『っ、しゃしん?』
私の髪を掴み、上半身を起こした。
高「これよ。」
1か月前悟くんと別れろと言われた時に見せられた写真を目の前に出された。
高「ここに写ってるのはメグミっていう女じゃなくて貴方。この顔はこの古井って女が作ったニセモノ。」
古「まんまと騙されてくれてありがとう。貴方みたいなのが私よりいい男と付き合ってるって言うこと自体許せなかったのよね。」
高「勝手に自爆してくれてありがとう。最近雰囲気悪いんだし、さっさと悟くんと別れてね。でも安心して?貴方と別れたあとは私が心の底から悟くんを愛してあげるから。」
ヒュッと喉から空気が漏れる音が聞こえた。
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華渚(プロフ) - 夜一さん» ありがとう夜一さん!笑是非お時間あれば、読み返して暇を潰してくださいな笑 (2021年4月24日 8時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
夜一(プロフ) - 1人暮らしおめでとう華渚さん!!笑笑ゴールデンウィークの間にパンピー読み直そうかな。更新楽しみにしてまーす!! (2021年4月24日 8時) (レス) id: 9c7154762c (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - nekoさん» ありがとうございます!!更新しない間、前作今作読み返して暇を潰して頂けるととてもとても嬉しいです!なるべく早く復帰出来るように片付け頑張ります!! (2021年4月20日 10時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
neko(プロフ) - 初コメント失礼します。前作も含め華渚さんの小説が大好きでいつも開く度にわくわくドキドキしています!新生活大変だと思いますが応援しながら更新も楽しみにしています(^O^) (2021年4月20日 9時) (レス) id: be50ebfe24 (このIDを非表示/違反報告)
華渚(プロフ) - とことんさん» 泣きそうありがとう……泣 (2021年4月20日 9時) (レス) id: c7e672e97b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:華渚 | 作成日時:2021年3月12日 19時