ふたりばなし2 (ページ9)

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スピーカーホンにしたことに気づいてないAは慎吾にポツリと本音を溢していた。

なんやねん、俺を頼れや。

でも、頼れなくしたのは紛れもなく俺で、

「A、病院どこや。」

『え、遥輝。え、ちょ、慎吾ちゃん』

「ごめんごめん。スピーカーにしとったこと忘れてた。」

『ハァ？！ちょ、ハァ？？！』

「ええから病院どこやねんって」

『○○病院・・・』

「部屋番号は？」

『306号室・・・』

卓さんにすみません、と断ってタクシーに乗り込む。

「○○病院まで」

なんやねん、アイツ。なんで慎吾に言うねん。俺に言えや。俺やって会いたいっつうの。ほんま舐めんなよ。俺の愛舐めんなよ！ほんま。

頭でグルグル考えながら、浮かぶのは笑顔のAで。

「早よ会いたいわあ・・・」

ポツリと本音を溢す。

ーーー一方その頃

『本当慎吾ちゃんこんど会ったらしばく』

「道産子レディーがしばくとか言うたらアカン」

『卓さーん。慎吾のことシメといてくださいよー。』

「任せとけ。がっちりシメるけん。」

『あー遥輝に怒られる。何言われるか想像つく。』

「なんで俺に1番に言わなかったんや！やろ？」

「いーや、卓さん、きっと、無言でまず抱きしめてキスっすよ。」

『・・・もう電話きる』