7.ドンピシャ ページ7
「卓、いたな。」
「・・・。」
鍵谷にだけ、今日どこにあの子が来ているか教えていた。
「バリかわいいっちゃけど。」
思わず方言もでた。
今日までドキドキだった。
だって遥輝に「告白みたいな文章のファンレターきたことある?」って聞いたら
「ありますけど、そういうの送る人ってたかがしれてますよ。」
って真顔で言われたから。
可愛くなかったときを想像して、ちゃんと対応しないと。
自分でした行動なんだから、と考えていたのに。
「めっちゃ卓のタイプだったな。」
そう、ドンピシャだった。
「こんなことってあんだな、良かったな。卓。」
鍵谷は俺の肩を叩いて去っていった。
今日の試合絶対いいとこ見せる。
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試合でファインプレーをしたとき、夢中で三塁側を見た。
周りに馴染んで拍手を送ってくれている姿に顔が思わず綻んだ。
ファンと知り合って、一目惚れっていけないことかな。
どうしようもなく君に心が揺れている。
あの日、あの手紙を見てから、胸がじんわりずっと暖かい。
これがどういう気持ちか知っているけど、まだ知らないふりをしていたい。
その日の試合はまけてしまった。
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作者名:ずゅん | 作成日時:2017年9月9日 0時