19.しつこい男 ページ19
仕事を終えて、今日は暖かいし歩いて帰ろうとしてたとき、帰り道で知らない人に声をかけられた。
「お姉さん、これから帰るの?良かったら飲まない?」
何が好きでこんな見るからに仕事終わりのボロボロの女と飲みたいのか、甚だ疑問だった。
「ねえ、のみにいこうよ〜」
平日の夜、帰るにはここの繁華街を抜ける。
国道に面した広い道で、私の速度に合わせて、絶えず声をかけてくる男の人をチラっと見ると、髭の生えたいかにもな風貌の人だった。
「ねえ、お姉さんマジ俺のタイプ!彼氏いる?」
「・・・」
「いないなら奢るからさ〜、行こって!」
無視を続けててもなかなか折れず、むしろ私の腕を掴んできた。
「離してください。」
「いい店知ってんだよね〜!」
「行きませんので離してください。」
「いいじゃん!ねえ?」
腕をふりきろうとしたとき
「連れになんか用ですか。」
「え。」
「なんだよ、男連れならそう言えよブス。」
ーーーーーーーーーーーーーー
しつこい男はそのまま去っていった。
目の前にいたのはサングラスの男だった。
「すみません、助かりました。」
そつ言ってお辞儀をするとサングラスの男はこっちをじっと見た。
「あの・・・失礼します。」
その場を去ろうとしたとき
「待って!君もしかして卓さんの彼女?!」
「へ?」
「そうやんな!俺!西川!西川遥輝!」
「え、え、ええええ?!」
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作者名:ずゅん | 作成日時:2017年9月9日 0時