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17.たのしいじかん ページ17

好きだと思えば何もかも可愛く見えるもんだと誰かが言ってた。


「行かない!」

「A応援してくれないと頑張れん」

「子供みたいなこと言わないで!」

「なんでそんな頑固なんよ〜・・・」


Aに応援にきてと東京ドームのチケットを渡したら、来ないと言い張って。



「日曜なんやし、来れるやん〜」

「今月はもうどこにも出掛けられないの!女子の一人暮らしは大変なんだよ。知らないの?」


付き合いはじめて1ヶ月が経った。

付き合い始める前はAは俺のこと好き!好き!っていう感じだったのに、いざ付き合い始めると俺の方が好きみたいだ。



「そんなん俺が出すって」

「悪いもん」

「悪くない」



ご飯を食べて帰る車のなか、俺が運転のときはAも飲まないでいてくれるから、少し遠回りして運転して帰る。


「卓がきて欲しいって思ってくれるの嬉しいし、私も本当は行きたいんだよ。でもね、自分の生活を蔑ろにして卓のこと追っかけてもいいことないと思うの。


ずっと好きでいたいから、無理しないの。分かって?」



そんな風に真っ直ぐ言われたら言い返せなくなってしまう。



彼女と付き合って数日、思った以上に芯があって、割りと頑固ということが分かった。





「そうやんね、分かった。でも今度は俺の言うこと聞いてくれる?」

「うん!じゃあ、今回のはまた今度にしようね!」


2歳俺の方が年上なのに、しっかりしてるなって思わされる。

そういえば中田さん言ってたな。
「30になる前に結婚しとった方がいい。」って。



Aとなら・・・

助手席に座るAの横顔をボーッと見てたら



「卓!青信号!!」


後ろからクラクションを鳴らされた。

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作者名:ずゅん | 作成日時:2017年9月9日 0時

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