検索窓
今日:3 hit、昨日:3 hit、合計:148,631 hit

11.なみだ ページ11

「交際を前提にお友達になってくれませんか」


その一言が頭のなかを反芻する。




え、この目の前にいるのは中島選手?

わたしに交際を前提にって言った?

頭さげられてる?

今どういう状況なの?

ここはどこ?




人生でここまでテンパることは無かった。



「え?!大丈夫と?!?」



目の前で手をヒラヒラさせる中島選手は間違いなく目の前にいて、私のことを見てる。


「いや、だって、あの」

「うん、泣かんで?」

「だって、わたし」


あれ?おかしいな。

これって嬉し涙かな。



「びっくりして、あの」

「うん」

「私そもそも野球知らないし」

「そうやったね」

「ただ本当に一目惚れで」

「うん」



私の目を見て私の話を聞いてくれるのは、

あの日に、一か八か届かないでくれ!でも気持ち届けたい!と悩みに悩んで送った手紙の相手で

若干ポエムみたいになった手紙もどうせ見られないだろうって思ってたのに



「もう、あの手紙見てからAさんのこと気になって仕方なかったんよ」

「よ、読まれないかと思って、」

「ちゃんと読んだけん、今ここにおると」

「わ、わたし、ファンですし、」

「関係なか」






そして中島選手はわたしにこう言ったの。

一生忘れない。



「俺のこと、もっと知って、もっと好きになって。そしたら一生守るけん。」




もうこんなに好きなのにこれ以上どこを好きになればいいのかな。

これ以上好きになって、どうにかなっても知らないから。



そんなこと思いながら涙が止まらなかった。

12.作者から→←10.ぎこちない



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (82 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
367人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ずゅん | 作成日時:2017年9月9日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。