がんばれ ページ7
「あー、もう無理!」
同室の先輩に聞こえないような小さな声で叫んでケイタはベッドにダイブした。
夜の点呼を終えた後いつもならリョウヤが部屋に遊びにきたり、リョウヤの部屋に遊びに行ったりしているのだが生憎今週はテスト期間。おとなしく1人で勉強をするしかない。
ただでさえ勉強が嫌だというのにリョウヤとも会えないだなんて辛いの二乗である。ふざけんな。
ケイタは充電中のスマホに手を伸ばす。無意識に開いてしまうのはリョウヤとのトーク。
「……迷惑じゃねえかな」
たぶんリョウヤは今必死に勉強をしている(数学の小テストの点数が散々だったから)。
自分が寂しいからという理由でメッセージを送ってしまうのはいかがなものかと悶々していると、なんとリョウヤからメッセージが届いてしまった。開きっぱなしだったので秒で既読がつく。
リョウヤケイター
リョウヤ既読はやw
既読の速さに恥ずかしくなりながら、嬉しい気持ちを堪えるように「なに?」とぶっきらぼうな返しを送る。
リョウヤんーー
リョウヤ勉強がんばれ
続いてファイト!のスタンプが送られてくる。
ケイタは幸せの含んだ大きなため息を漏らしてぎゅううっとスマホを持つ力を強めた。
ケイタがんばる
リョウヤがんばれ
リョウヤおやすみ
メッセージを送ってくるということはリョウヤも寂しかったのだろうか。それなら嬉しいなと笑みをこぼしながらケイタはラストスパートのため、机に向かった。
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ずずずん | 作成日時:2022年8月6日 19時